中国茶を飲む際には、味だけでなく容器も楽しみたい、なのでその選択は重要なポイントだと思う。
- 容器(カップや茶杯)を変えることにより、香りが強く感じられたり、口感(ボティ)が増大して安い茶葉でも美味しく感じられる。
- しかし、、緑茶やダージリンならば問題にならないが、樹齢の高い老欉茶を飲む際に余韻をかき消す容器を使用するわけにいかない、私は今まで西洋陶磁器のティーカップを愛用していたが、1g数百円の高級な茶葉の味を半減以下にさせながら飲むようなことはできない。

- 鳳凰単叢の味わいを半減以下にさせながらのむ訳にいかず、白い茶杯を使っているが、HOJOさんの牙白茶杯は素晴らしい性能で必須品だが、やはり写真で目立ち模様も美しい器を使いたくなり探求。
- そこで収集していた元禄期の柿右衛門手の蕎麦猪口を使ったら、味わいを変えることがないと気が付く、至急同様タイプの物を探しに市場へ向かった。

- そこで出会った1品は素晴らしかった、藍柿ではないがほぼ同等の薄手、このように透かし細工の入った絶品に出会う、完品で2客手に入れた。
- 5年前に全く同じでないが、似たタイプの物が東京の専門店で12.6万円で販売されていたのでそれなりの古伊万里だと思う。
- 以後1か月かけて、猪口を10客ほど購入した。
- その味わいの濃さと余韻を楽しむことに高いお金をかけているのだから。

私はその性能を試すべく、老欉茶を使いサンプルを調査をした。
使った猪口は 元禄様式3・宝暦2・江戸後期3・幕末1 染付7 色絵2
- 様式や時代区分は推定です。古伊万里以外は入手できるなら新品の価格
- 試した茶 樹齢40年奇丹大紅袍・老叢蜜蘭香・老叢水仙岩茶・単株プーアルHOJO・単株紅茶李絹HOJO
- 番号 時代+-20年 様式 推定 余韻 香り 口感 味評価5段 完品参考価格¥
- 1 元禄 1700-1750年 藍柿 ◎ 〇 〇 4 20000-40000
- 2 明和~安政 1770年代 ▲ ◎ ▲ 3 10000-35000
- 3 宝暦 1760年前後 唐草松竹梅 〇 ◎ ◎ 5 50000-130000
- 4 宝暦~天明 1780 染錦 ◎ 〇 〇 4.5 7000-35000
- 5 幕末 1860年 微塵唐草 ◎ ◎ ◎ 5 1000-3000
- 6 江戸後期 1800-1840年 ▲ ◎ ◎ 4 8000-20000
- 7 江戸後期 1800-1840年 ◎ 〇 〇 4 3000-10000
- 8 元禄 1700前後 ◎ ◎ ◎ 5 8000-15000
- 以降は写真なし
- 9 元禄 1700前後 色絵柿右衛門 ◎ 〇 〇 2 60000-130000
- 10 HOJO XS022 牙白茶杯 ◎ ○ ○ 5 標準 680円
- 11 ロイヤルコペンハーゲンブルーフルーテッド各種✘ ▲ ◎ 2 渋 5000-65000
- フル1960年代 4客 ハーフ 1986年 フル顔つき1990年代2客で実験
- 余韻書き消し気味 しかしフル1960年代1客 フルレース1990年代の二客は余韻書き消さず。同じシリーズでも性能が違う。
- 12 マイセン ブルーオニオン ▲ ○ ▲ 苦 1 25000
- 13 ウエッジウッド プレイリーフラワー ▲ ◎ ◎ 2 7000-15000
- 結果 古伊万里はそこそこ美味しく中国茶が飲める 値段様式年代等 因果関係なし
- 中国茶を飲む際にここで紹介した以外の自分の所有品でも試したところ古伊万里(有田)の蕎麦猪口は全般的に香りを更に生かす傾向と余韻をかき消さない物が多く非常に適していると思う。
- 古樹を始めとする茶を飲むならば、その余韻を生かす必要があるため、この指標は重要だと思うのだが、それらの茶葉でなければ、どれでも美味しくのむことができる香りも特に良い。
- 個人的には見込の絵が綺麗な物や透かしが入っているものがこのみである。
- 西洋陶磁器のカップは見た目の美しさやハンドルから使い易く、お気に入りのためコレクターであるが、自分の所有品のなかでは、そのほとんどが高樹齢の高級中国茶の味を壊してしまうことは、1年の使用経験と今回の試みで明らかとなった為、以後は余韻の関係ない台湾茶や普通の岩茶やダージリンなどで利用していきたい。これらはボディを増大させてくれるため、相性の非常に良い茶も多くある。
- 私はヨーロッパのティーカップで中国茶を飲み続けてきたが、その道で長い経験を持つ友人・知人・師匠・・・数えきれないほど、、見下されたり、(そんなもので飲んだら渋くなる)(カップで飲むなんて味のわからん奴)に類することを言われ続けてきたが、、、、全ての物が当てはまるわけでないが、それらのなかには大切な余韻を破壊する物がある傾向を彼らは熟知していたり、何となく悟っていたことは間違ないようた。
表はデスクトップ用で作成されています。

手前が古く320年前のコップ 奥がHOJOの茶器
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