伽羅の全貌 沈香との違い | 茶の穂

伽羅の全貌 沈香との違い

香木・伽羅・沈香

沈香と伽羅の違い

沈香と伽羅の違いと区別の方法に加えて伽羅には品質高低が存在する。

沈香と伽羅の違いは品質の違いであり木質の違いだ、伽羅はベトナムで産する沈香の一種類であり、日本以外の国では奇楠沈香または英語でキーナムアガーウッドと言われている。沈香と伽羅の分かりやすい違いといえば、沈香は常温ではあまり香らないが、伽羅は常温でも強く香ることだ。1グラム数万円という値段で取引される以上はそれだけ沈香と雰囲気が異なりわかりやすいからである。

区別方法

伽羅(奇楠)と沈香の見分け方にはさまざまな方法があるが、おおよそ以下の二種類とその併用が使われていると考えられる。

木質で区別

  • 沈香との違いは?
  • ➡基本的に木質が硬いか?柔らかい?かどうかの違い(柔らかいのが奇楠
  • これは中国やベトナムなど日本以外の世界中で区別される沈香奇楠沈香の違いでもある。

香気で区別

  • 一定の基準に基づく非常に優れた香りを出す沈水香木(沈香)
  • ➡受け継がれてきた香道の基準にあった御家元からの秘伝の香気を持つかで選ぶ
  • ➡一定の品質基準に達しつつも、辛味の強く出てくる沈香
  • 日本での伽羅の基準はこれらを歴史的に併用したりと、更に香気の良い物を厳選していた、しかし2012~2015年ごろに外国人による爆買いにより、国内の店から伽羅が消えたのだが、その際に彼らが指標としていた基準は、香りの良い悪いなどの香気をあまり考慮しない基準であり、木質が柔らかければ柔らかいほど伽羅なのであった。 
  • 木質のみで伽羅を分ける方法に関して言えば、香炉も必要なく単純な話であるのだが、後者の香りでの区別では長い経験が必要である。
  • しかしながら、伽羅が沈香の最高級品であることは世界中の誰もが認める事実であるのだが、伽羅には品質高低やランク及び種類も豊富であり、すべての伽羅が必ずしも沈香より優れているとは現実的に断言できないところもある。

日本以外の全ての香木取り扱い国では沈香であり木質が柔らかければ、なんでも奇楠沈香とされ沈香と区別され、基本的には奇楠沈香は沈香の高級品であると世界中で考えられているが、海外では奇楠よりも沈香のほうが高額である場合も見られ、奇楠=伽羅伽羅とは奇楠の概念がかならずしも日本の基準における伽羅とは一致しないのが特徴。

事実上の国際基準である奇楠沈香をそのまま伽羅とした場合はカリマンタン島産伽羅、インドアッサム産伽羅などで溢れかえることになる、なお奇楠沈香は日本の伝統的基準においては伽羅以外の木所に分類される物も多いと言える。

香木業界内において伽羅と沈香の鑑別は香木の鑑定区別という項目において、もっとも簡単であり(すぐわかる)されるが、それでも最低でもかなりの伽羅原木に触れて数年を費やす必要があり、珍品の鑑定では何十年と経験する必要がある、伽羅の判断は最終的な判断は流派の定義や歴史、その国の価値観、鑑定人の経験にて下される。

品質の甲乙概念

沈香より全てにおいて優れているとは限らない、沈香の最高級品である伽羅の中にはさまざまなランクがあることは上級者にとっては当たり前だが、一般消費者に馴染がない内容、品質が低いとされる伽羅という香木ついての解説。

伽羅とは?香木の種類(木所)であり、沈香の一種類、沈香における品質高低と同じく伽羅のなかでも品質高低が存在する。

  • 自然にできた物で柔らかく爪で傷がつくような伽羅は香味に関係なく最上級の伽羅であり、もっとも高額という世界の香木に対する考え方が優勢である。
  • この考えにもとづき単純に柔らかければ(高い・高級品)と世界中で見なされる。
  • 高額とは1g10万円程度であり、この基準に基づき現在の伽羅のランクは決まっていると考えられる。
  • パット見て、すぐに伽羅とわかるような典型的な伽羅ほど高評価にあり、色分けできるような伽羅な見た目だけで色合いがでわかるようならば、例えば10段階のランク評価があるならば8-10ランクとみなされる場合が多く、ほんとんどが上級品または最高評価になる
割と簡単な伽羅のランク分け

見た目が伽羅らしく典型的な天然の伽羅である=最高級品、柔らかく爪で傷がつく天然の伽羅=最高級品、簡単に伽羅とわかる物=最上級品見た目では伽羅か沈香か迷うが沈香よりも柔らかく香りは良い=中級~高級品または最高級品下級品は刻みや粉末を除いて多くない

高品質の伽羅にみられる見た目の特徴

  • カットされた宝石(サファイア・ルビー)に似た輝きを放つ。
  • 黄金色に輝いている。
  • 色がなぜか?美しくテカリがある。
  • 手触りが独特。
  • 断面などから油(香液)が漏れ出す、垂れている様子がわかる。
  • 上記のような美しい見た目の個体は真っ先に(伽羅らしい伽羅)と言われるが、すべてがこのような見た目をしているわけではない。
  • 常温で強く香る=軟質な伽羅は常温でよく香る。
  • 高ランクの伽羅は木質が爪で傷つけられるほど柔らかいと海外では言われるが、これは一般論であって、硬くとも、質感が沈香のようでも、見た目では区別できないような物でも、歴史的に高ランクと見なされる木もあるので一概に言い切ることはできないとも言える。

安物・低質な伽羅

品質の劣る伽羅とは、香りが悪い、香りが薄い、香りが長持ちしない、などの特徴がある場合があります、ただし香りが劣るのにも関わらず、伽羅であるということに違和感を覚える人は多いのですが、香木カテゴリーである以上は品質差及び個人の嗜好があるのは当たり前のことです。

  • 伽羅には上中下・上品下品・・上品極品特上・AA・SA・SS・SX・一号二号など等級付けして通常は最高級の伽羅を更に区分します。
  • 円熟していない若い・香りの浅い伽羅

⇒それはそれなりに良い香りなのです。

(このタイプの伽羅であっても、特別な香りが出るものが存在していて、この場合は真逆の極めて希少な伽羅となり、値段が付かないほど希少な場合もあります。)

  • 伽羅のメカニズム
  • 木質が明らかに異なる物もあれば、あまり差が無いものもあります。同じ伽羅であっても沈香から伽羅に変化したり、最初から伽羅として生成されたりと、発生メカニズムも多様であると言われている(伽羅が土に埋まって熟成する)(朝露に当たって熟成する)等のいろいろな説がありますが、そのメカニズムは一般的には解明されていないとされます。

伽羅らしくない伽羅

伽羅らしくない伽羅とは?主に常温での香りが弱い(無い)、木質が硬質で硬い、香りが弱い長持ちしない、などの個体があてはまりそうだ。

  • ➡上記の条件を満たしていても最上級とされる例は多々ある為、一概にが言えない。
  • 伽羅らしくない伽羅とは沈香に近い伽羅という表現もある。
  • なお伽羅は沈香の最高級品であるので、間違いなくすべて沈香である。

香りが長持ちしない

香りが長持ちしないけど香りは抜群に良い場合はどのように販売されるのでしょうか?

1 ランクを下げて空薫用伽羅として販売

2 刻みにして値段を大幅に下げて焼香用に 

➡聞香に適さない原木をバラバラにして刻み粉として販売

3 特に気にせず緑油伽羅として高値で販売

➡香りがほとんどしない伽羅であっても、木質が伽羅でしかなければ伽羅は伽羅であるのです。

4 最高級線香のスパイスに

➡4は悪い意味ではなく、線香にするためのブレンドの一部として利用して更に線香の香りを引き立てます。もちろん一握が数万円以上する高級線香になります。

5 超高級観賞用香木として販売

参考資料伽羅の価格

伽羅の価格は品質や等級および形状によって大きく異なり、通常は値段はあまり開示されていない。

購入量が一定を超えるなどの場合は割り増し代金が発生する場合がある。

伽羅の中でもg単価が倍以上ならば品質(香り)に差があるのは当然である。

木質が沈香に近い物は安価な傾向(香りのよし悪しはあまり関係ない)

色(緑油・黄油・紫油)による値段差はあまり聞かない。

感覚的に伽羅の刻み 1グラム25000-30000円 普通品1グラム3万円ー5万円台後半 聞香用 1g3.5万円-8万円前後 (2024年春時点)

https://seonyan.com/kouboku-zinkou-agerood/market-price/ 自己調査 国内における香木(沈香伽羅)の価格と相場より
Bitly

伽羅の刻みの例(アマゾンへの外部リンク兼広告)

香りが薄い・持続性がない

  • 根本的な原因は樹脂化の過程と木質にあると思われますが、香りの持ちが悪そうな香木であっても、長持ちする場合があるために一概には言えません。
  • 香りが長持ちしなくてもあまりに濃厚で素晴らしい伽羅もあります。香りが長持ちしないに相当しても沈香よりは長い物が多いです。

伽羅である以上は、持続性はそれなりにあるのですが、聞香すると香りが強すぎて良くない、香りが強いのに一瞬で終わる、などの特性がある場合には低温で聞いたり、多めに焚いて(焼香風に)して利用すると真価を発揮します。

  • それでも伽羅は伽羅であり一瞬で終わる場合も聞香炉や火加減の不良である場合が多く、焼香の場合は香り方が変化するため、逆に好ましい場合があります。
  • 少量でも苦味を伴う甘く良い香りが、部屋全体に行き渡り何とも言えない、厳粛かつ華やかな空間となります。

聞香すると香りが強すぎて良くない

  • 主な原因・聞香炉の火加減の不良・量を使いすぎ・伽羅を頂香(切りたて)過ぎて落ち着いていない。対策・火加減や使用量の調整

香りが強いのに一瞬で終わる

  • 主な原因・聞香炉の火加減の不良・量を使いすぎ ・戴香の失敗・刻みを作る際に熱が加わってしまった・購入時から時間が経過してしまった(刻み・小片に多い)・香木の保存に失敗した。

品質が低い

  • 品質が低いという表現は伽羅であってもあり得ること、香りが薄くても、その薄い香りが聞香などで好まれる珍しい香りであったりと、単に自分の好みでなかったなども考えられます。
  • 伽羅と沈香は伽羅が圧倒的に最高級・絶対王者であると言えますが、香りだけで単純に比較したら、タニ沈香の最高級品等と比較したら?どちらが良い?香りをどう感じるか?最終的には個人志向となる気がします。

やはり最後は個人志向となり感じ方は違う。

  • 絶対に伽羅でないとダメ・伽羅以外は香りが物足りない!
  • タニ沈香のほうが苦くて甘くて好き=伽羅の苦味と甘さとタニ沈香の苦味と甘さは根本的に異なります。

伽羅の産地

伽羅を産する沈香樹である奇楠樹の産地はベトナム北部~南部、ラオス南東部、カンボジア東部の主に標高の高い高原地帯に自生しているのでそこのみが産地となる、ベトナムや香港の香木商の間では主に出荷港に合わせて中部系伽羅をダナンフエ系、南部系伽羅をニャチャン系に分類されることがある、最高品質の伽羅はベトナム南部のみで産出される。

ラオス南東部とベトナム北部では高品質な物は産出しないが、低級品が産出されるラオス産の伽羅は奇楠沈香としてみた場合は樹脂の質が低く、香りは抜群に良くとも木質的には沈香になるため主に刻み用や2024年7月時点ではグラム3万円以下の製品に混合されて使われる。ラオス産やカンボジア産の伽羅に関して産地はベトナムとの国境山岳地帯に限られており、採集人はベトナムから越境して取ることや必ずベトナムのダナンやフエに集められ、主にベトナム中部系の伽羅として国外に出荷されるため、出荷経路がどうであれ必ずベトナム産となるものであるからベトナム産以外の伽羅は名目上は存在しない

伽羅のでき方(2024年7月6日)

生育環境は上記の地区に限られ、なお伽羅として天然的自然に香を結ぶには(香木としての伽羅の生成)には木の育成地は湿度が高く霧がかかるような高山環境、樹齢は100年以上で大木であるほど確率があがり、斜面であるほど良いとされる。

色と状態による種類

沈水香木(沈香)の最高級品である伽羅が香木の絶対王者であることは、その驚くべき高価な値段と希少性から明白な事実であると言える。しかし、それらに様々な色合い見た目があり、木質や香りまで異なるのだ。それらを鑑賞して色に加えて木質や状態などを鑑賞したい。

色の種類

伽羅における色の分類は、見た目で判断されて緑油伽羅など区別されることがある、それらの分類はかなり大雑把なものに感じつつも香りの系統や性質には一定の共通性があるものだ。

  • 国内では緑油伽羅が圧倒的な知名度を誇っている。しかしながら、一般的に取引される伽羅が主に緑油系統であること、その名称が覚えやすい為にブランド化したことによって植え付けられたある種の迷信が肥大化して伝わっていると思っている。
  • どの色合い系列の木であっても一定の品質があるならば香りが異なっても品質に大差はない物だと思っている。
  • 以下の説明文は記事の為に見た目でおおまかに色分けしてさらに香りの系統で判別。

緑油伽羅 (緑油系統) 

これぞ伽羅と言わんばかりの華やか、かつ強烈な香り!見た目においても小さく切ると宝石のように輝いて見える物もあり、見た目で判別が容易であり、香りはなんとも言えない万能的な香りに感じる。物によってはかなり香りが強く鼻を潰してしまう、それでも芳香の塊だと実感できる。伽羅のなかでは、喉のイガツキが最も痛く、強い酒類に似た突き抜けるような香り方の個体もある。

  • 最初に伽羅を聞く場合は緑油をはじめとするこのタイプや軟質な物を試すと良い。
  • 独特の華やかさと柔らかさの強さが特徴 (甘みと甘みor酸み)
  • 木質面では世界最高級とされつつ弱点は濁りのある単調な香りを持つ個体も多く、円熟感がなく、伽羅のなかでは香りの深みが薄い、歴史的木所判定では伽羅にならない場合がある。

こちらは国内外における分類法をさらに掘り下げた内容

  • 緑油系伽羅 色合いの角度が緑っぽければ全部がそう言われているところはある。
  • 白皮緑油 ・緑油伽羅の最上級品と考えてよいでしょう。 そもそも白皮を目撃するにはそれなりのサイズの原木を目る必要があるのでこの状態を実感しにくい。
  • 仮に皆さまが所持していたとしても、割や小分け状態だと分かりにくいでしょう。
  • 香りは緑油伽羅の香りを上品にして極めたような感じを受けるが一概に表現できない。
  • 金糸結緑油・甘味に特徴あり上級者向きとされる。
  • 生結緑油・お寺に1970年代に大量に収蔵されたと外国で噂されていた、極めて軟質であり常温での香りには特に優れる。
  • 熟結緑油 ・やや硬質だが芳醇な香りで強く柔らかい➡黄油とする説あり。
  • 天然でない栽培物の伽羅は例外なく緑油伽羅の系統に近い。

黄油伽羅(黄系伽羅)

最初の辛味が特徴的な伽羅であり、ガッツリ苦みと辛味が来るので脳天に響くところ、多彩な見た目では黄金色もしくは沈香のような肌をしていて黄色い、基本的に辛が特徴でキツイと感じるものもあるが、温度の調整である程度コントロールできる。

切断してある場合は緑油に近い見ために見える為、その名称で売られている事も多く、刻みで売られている緑油伽羅の大半はこちらになると自分は思っている。

  • 単純に黄金や山吹色という分類となるなら、いわゆる伽羅はすべて黄系になってしまうところ、辛味でなく木質と油と熟度に注意が必要。
  • 白油
  • 上品の極みな香りで持続性は抜群に優れる高温でも焦げない。
  • 真っ白でカスカスでとにかく五味完備の物がある。

青油系 (青油伽羅)

  • 見た目の感じは、黒油と黄油や紫油の中間のようなイメージを受け、それらの混合型のような独特の柑橘系と梅花系統の香りを基本として、緑油及び黄油の中間的素質があるように感じる、そのため辛味と酸味、独特に広がる強い味わいと奥行きを感じる。

紫油/黒伽羅(色の濃いタイプ)

紫や黒っぽい見た目であり、如何にも濃い色合いの伽羅、個体差はあるが、飴のような艶やかな肌合いが特徴でもあり、熟度は高いが軟度はさまざま。紫や黒系の濃い色合いのタイプは歴史的には伽羅の代表であり、香道の一部流派ではこのタイプ以外の伽羅を伽羅だと認めていない。

紫油伽羅(紫系伽羅)

重厚な蘭の花や杏子を連想する独特の甘い苦味が特徴であり、これを伽羅の苦とも言う場合がある。

  • 重く重厚な香りときらびやかな香水を連想する、刺激的な香りは比較的に抑えられており、黄油のような刺激的な香りでなく、重層かつ濃厚である。もちろん刺激的な物もある。
  • 独特の甘味を特徴としており、甘と苦を基本とした、蘭の香り言われる何とも言えぬ濃厚な香りと紫特有の甘さ、色合いの濃い紫や黒の伽羅は香気に奥行きがあり、香りも濃厚で複雑かつ濃縮感すらある。
  • 紫伽羅 (紫油伽羅の系統)
  • 紫油伽羅の少し硬質な伽羅は香りが交互に来て甘味と辛味が特徴、華やかに加えて奥行きに筋の通った味わい、妖艶でなく枯れており、味わい深い。
  • 紫緑伽羅 、梅が香と独特の酸味を持つ独特の木、強烈な支持者がいるという。
  • 虎班結紫油  紫系の割に辛味が強いが、煌めきと奥ゆかしさを持ちつつ香りが不安定なのが面白い。
  • 白皮紫油、土中から掘り出された後に表皮を剥がしても、表面が白っぽい個体、断面は紫油らしい色合いで香りは熟度と透明感のある素晴らしい香り。

黒油伽羅(黒系伽羅)

見た目は黒く、基本的に烏の濡羽色のような美しい漆黒または美しい黒と金色の斑模様であり、表面は基本的に艶やだが、物によってはややカサっとしている。凝縮感のある伽羅であり、紫油が持っているものとは異なる独特の甘みを有している。黒油伽羅の持つ独特の甘さは、緑油伽羅の甘さを濃くして凝縮したような印象であり、典型的な伽羅の甘さである。

  • 紫に比べると甘さが強く濃厚であり・もったりとしているイメージがある。(紫だが色が濃くて黒にしか見えないタイプを含む)
  • 個体によっては煌めくような辛味を保有しており、濃厚で香りが深い。
  • 個人的には色が真黒であっても、蜜の甘さ(蜜香)や黒糖のような甘さを感じなければ、紫の熟度が高い物とみなしている。一般的には紫の熟度の高い物も黒油伽羅と言う。
  • 黒油伽羅の感想 個体① 墨のような黒さに油分を感じる艶やかな表面、出香すれば熱烈で濃い香りがゆったりと力強く広がる、蜜の甘さを基本として辛味・苦味が入り混じる、それでいて円熟していてあまりにもすばらしい。 
  • 黒油伽羅の感想 個体② 柔らかさを感じる表面だが木質は硬い、出香すれば強烈な伽羅立に驚き、一瞬、、強さで目の前が真っ白になる。
  • 濃厚な甘味と鹹味の香りに透明感を伴いながら、奥にくすぐるキレの苦のくすぐる香りは安定して華やかさと円熟感と奥行きを感じながら長く続く。
  • 黒油伽羅の系統
  • 外国で緑油伽羅の最上位品であるとみなされており、ヤフーオークション一時期1グラムが10万円を超え20万円ほど行くような伽羅は全て黒油または濃紫であった。
  • 見た目は薄黒く、香りは緑油伽羅をろ過して更に上品にしたようなイメージ。
  • その他の濃い色の伽羅
  • 紫白伽羅  香道の一部流派で好んで使われる。
  • 紫黒熟結伽羅  苦みが特徴、相当な曲者だが、熱烈に一部で支持される。

赤油伽羅(赤系)

土中熟成型で表皮が赤っぽく、化石化しかけている、表面は艶かだが、ややカサついている、熟度が高い為、香りの透明感が素晴らしく、甘さは黒油系統と同じである。木質的に沈香に近くなるが、木質特性と香気は奇楠沈香の範疇にある。香りの系統から、黄系統の熟度の高い物や緑系統の熟成の高い物の一部かつ太めの物が多い模様。

  • 中華圏における区別では紅糖熟結といわれる伽羅の仲間であり、土から採集された伽羅であり砂糖の焦げる香り、黒糖の甘味を生じる黒油伽羅の仲間で、もともと国内では粉や刻みに混入されていたが、最近は無印の伽羅として売られている。
  • その他にも低価格や表皮を剥がしていない木は、色では分類できない場合が多く分類できない伽羅も豊富に存在します。

それらは色で分類できないからと言って香りが劣るというものではありません。

選ぶ際に色を意識して選択することは参考になりますが、それらのみ判断するのは良い事とは言えません。香木の香りはそれぞれ異なる物です。

  • こちらは当時ヤフーブログに書いたオリジナルの記事です。
  • 改訂版 伽羅の色の分類  緑油伽羅 黄油伽羅 黒油伽羅 紫油伽羅 香木伽羅の種類
  • https://seonyan.com/kouboku/2893879/  当時のオリジナル記事

色ごとの香味の印象

まとめ・全般的な印象 個人的なイメージ 一個体づつ香りは異なます。

  • 緑油伽羅  五味完備・香りが強烈でアルコールのような独特の触り・辛味弱め・個人的には苦手
  • 黄油伽羅  辛味が強い・印象に残る・きらびやかな印象
  • 青油伽羅  豊で艶やかな印象・黄油のように強烈でなく柔らかいが強い
  • 紫油伽羅  苦味が強い・蘭や花香の甘みが好み・やや辛味が入ると爽快感が良い、伽羅らしく最も好み
  • 黒油伽羅  蜂蜜の甘さなど独特の蜜系の甘さが基本的な特徴
  • 赤油伽羅  黒よりも甘さは爽快であり、バランスが良く余韻は長い

伽羅の木質による種類

  • 伽羅・奇楠香の種類には色合いによる区別以外にも様々な見分け方が存在する。
  • 上記では色を重視したが、ここからは(木)そのもの性質を鑑賞している。
  • 緑油伽羅の熟結や紫油伽羅の熟結など、無理やり分別すれば相当な種類になるだろう。

伽羅の採集状態を表す言葉

  • 生結・生木 生きている木から取り出した状態。
  • 熟結・死沈 枯れた木から採取したり、土中より採集された状態。

状態による分類

縮油伽羅

  • 緑油系統の伽羅が土中埋没して硬化、化石化した物、香りは透明感が強く余韻が深く香りはしなやか。
  • すなわち珪化木化した緑油伽羅の化石である。
  • 軟度の柔らかい木よりも、熟度の低い伽羅独特の濁りが無く透明な印象を受ける。

鉄油伽羅 

  • 紫油~黒油系統の個体がひたすら熟成して硬化した物であり、最濃縮型の伽羅であり、化石ではない。その見た目が独特で、硬く削ると粉になるが、香りの強さは伽羅そして全香木のなかでもっとも強烈であり、最強という表現以外ない。緑油伽羅や紫油伽羅の比較にならないほど強烈であり、刺激臭と脳が錯覚するような伽羅の濃い香りとしか表現できない芳香、頂香は難しいが個人的には好み。忘れられない最強の香り。

鉄伽羅 

  • 熟成が進んで硬化したもの全般を表すと考えられる。熟度が高すぎて香気も弱くなるなどした場合においては木所が変わってしまうだろう。

PRお勧めの沈香 

Bitly

香木の木肌を極薄くめくり、柔らかさをアピール?大陸の香木販売店で多く見かける写真の撮り方。 写真の個体は柔らかいので緑油伽羅の仲間とされていようです。緑油系伽羅の中級品 緑油金皮伽羅 39.5g

木質とやわらかさ(軟度)

伽羅は基本的に木質が柔らかく、樹脂が柔らかい。

  • 最初は柔らかい伽羅は樹齢を重ねていくと硬くなっていくと言われている。
  • 生木から取り出した木は生結や生木等という場合があり、特に柔らかい。
  • 熟結などは熟度が高い為、木質は硬いが伽羅である以上は沈香よりは柔らかい。

軟度と香りの関係

私は柔らかすぎる伽羅は苦手である、円熟感がなく香気は単調であり、一部は香りが強すぎることにより聞香中に臭覚を麻痺させる場合があり、保管においてその性質から、小片にすると明らかに香りが薄くなってしまうこと、個体によるが濁りのあるモヤっとした香気であり、透明感がない等から避けている。

  • 個人的なイメージでは軟度の柔らかい伽羅は常温での香りは特に強く、銀葉にのせても強烈。やや硬めの伽羅は常温での香りは前者と比較すればそこまで強くはない、しかし銀葉にのせれば、個体次第ではある。強烈な強さを感じる場合もある。
  • 熟度の高い紫や黒のやや軟質な伽羅は最高好み。
  • 緑油伽羅を始めとした柔らかいタイプは上記の特徴から、切断時や皮を取った際には表面が黒くとも表面の油分が揮発することで白く輝く、空気に触れている面が白くなる現象を白皮などと表現する場合があるようだ。
  • 柔らかいタイプの伽羅に少し似た、奇楠沈香は天然物には全く及ばないが、近年の研究により人工的に作ることが可能である。

詳しい記事

人工軟質沈香 ビックリな栽培伽羅
軟質沈香、驚異の栽培伽羅 私は香木を聞くことを趣味としているが 最近は所有品で充分だと追加で買ってなかった。県外移動自粛という要請が地元愛知県から出ている状況なので京都へ行っても店には行っていなかった。 1月に話題の人工の伽羅を購入したが、...

これらは個人の勝手なイメージであり、香木の香りは1つ1つ異なるため、一概には言えないことが面白い。

聞香日記・伽羅 

コレクションの観察 香味の観察

伽羅の色と木目伽羅の木目のアップ画像
伽羅の木目とその色合い 同じ伽羅でも木目や色合いはかなり異なる。

写真解説 1伽羅の色合い 2木質と軟度 3香り 4そのほか情報 銘や流派や購入店は(松栄堂山田松など)

  • 1 黒油伽羅 やや硬いが柔らかめ・強烈な香りであまりにも素晴らしい・志野流の御家元銘有・ヤフオクにて1g20万円以上の値段が一時期ついていた伽羅
  • 2 色不明(黄色系)・木質は沈香に近く固め・アニカシ少々・御家流の御家元銘有
  • 3 黄油・柔らかい・辛味と甘味が素晴らしい
  • 4 青油・柔らかい・酸味と甘みが独特・御家流の御家元銘有
  • 5 不明(白皮)・なめらか硬い・甘味と酸味が独特
  • 6 黒油・なめらか・甘みの深さと香りの広がりが良い
  • 7 紫油系?・硬いが滑らか・甘みと苦味が独特

お勧め書籍 最上級伽羅の原木が色ごとに掲載されている図鑑 ※当サイトでは最高級品伽羅の画像を2024年時点で一切だしておりませんので、書籍などで見て下さいね。

Bitly

2020年6-28日&9-25 香木に関しての画像やきほん知識およびカタログに徹しており、香味などの言及はあまりなされていない、香人や香舗などの違いや香木の木所や香味に関する論争に配慮してあるように思われるが、この図鑑が発売された影響は香業界に極めて大きいようであり、この書籍が今後の沈水香木の基準となるだろう。個人的には素晴らしいと思う。この図鑑が出てきたおかげでこの記事におけるリライト版においては精度が上昇しました。このブログは愛好家による個人主観のブログであるため香味などについても言及しております。

関連記事

軟質な緑油伽羅の一部は香りが単調で浅いので、伽羅らしい苦辛の無い個体は歴史的日本の香道では真那伽の判定が下る。

真那伽の違いについて解説

この記事はヤフーブログ(時代に書いた)4つの記事を統合して編集したものです。

  • 現在の伽羅の価格と品質の観察  伽羅価格 伽羅の状況 2018年2月11日
  • 低質な伽羅 空薫用伽羅 安物伽羅 安い奇楠香 2017年3月6日
  • 伽羅の選び方 伽羅の香り 奇楠香の選び方 伽羅の価格帯 新伽羅古伽羅 2016年12月24日
  • 伽羅の鑑定 伽羅の判別 真那伽と伽羅 2016年12月18日

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香木のブログ初苗庵
カテゴリー香木、香木と沈香及び伽羅に特化した内容を扱う。

追記2021年7月8日 伽羅の沈香栽培の項目を追加しました。

追記2022年1月15日 記事(沈香と伽羅の違い)および(伽羅の色合いと状態による種類)を統合してこの記事(伽羅の全貌 沈香との違い)に統合しました。

追記2023年2月13日 内容の更新と追記 2024年6月27日、価格や一部情報を追加。

追記2024年7月5日 伽羅の産地についてを追加しました。

コメント

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