桐木村で金駿眉を製作中している様子を茶摘みから製作、試飲に至るまでを記録するページ
金駿眉とは
2005年に生み出された、正山小種紅茶の最高級品で希少かつ非常に高額なお茶であるが中国国内や日本では金駿眉の表記であふれており、偽物の多い茶として残念ながら悪名高いのは周知のとおり、本物の金駿眉とは福建省政府の基準により武夷山風景区から50kmほど離れた桐木村(桐木関)を中心とした、武夷山国家級重点自然保護区内565平方キロの標高1000m以上の茶園でかつ無煙(煙味なし、無燻)で一心(新芽のみ)で作られた紅茶となっております。

茶摘みから自宅までの記録
そんな偽物だらけの金駿眉だからこそ、コロナで外出制限となり、巣ごもり消費の今だから、桐木関で金駿眉を製作中の御茶荘の葉さんと実際にリアルタイムで連絡をとりつつ茶摘みから完成そして、国内へ輸送されて、わたしが本物の金駿眉にありつき飲むまでを実際の動画を交えて記録します。ちなみに金駿眉は私が今まで購入した中でトップクラスに単価の高い茶に間違いありません。時間は中国時間で記録しています。

なんとか茶摘みへ
日本ではコロナ騒動の真っただ中でも中国武夷山では、なんとか落ち着きを取り戻して、正山小種の収穫が始まりました。茶摘みの様子から選別に至るまでのプロセスでの手間は想像を絶する物です。以下で紹介している一連の製茶工程を見るとわかりますが、金駿眉は手間がかかっており、単価が高額なのは当然であると思います。
茶園の様子

こちらが茶園の様子です。桐木村で1200m程度、極小の新芽は金駿眉へ、あえて半分ほど摘みをしていて、残りが成長したら銀駿眉(野生紅茶)になります。
早朝の桐木村の茶園の様子 これから金駿眉になる新芽を収穫します。

ちなみに、竹林山とは茶樹の成育環境のことです。
茶摘み 2020年4月12日

金駿眉で使うのは新芽のみです。
極少の新芽のみを摘み取ります!
桐木关野生金骏眉采摘进行中。喜欢的朋友可以预定了。
桐木関にて金駿眉の茶摘みを行っています。

こんなに小さい新芽のみを茶摘みしています。
新芽の分別 午後5時
茶摘みを終えて、新芽の選別を職人さんがしている様子です。
(芽头采摘到家后去除杂叶碎片)
形の悪い新芽や少し成長してしまった新芽は除去します。

このような地道な選別作業は、夜8時まで続きます。
振るい落された新芽


極小の新芽を収穫するだけでなく、春に最初に出てきた最高の新芽をさらに厳選するのです。

まさに選ばれ、振るい落されずに残った春一番で新芽のみが、最高峰の紅茶である金駿眉へとなるのです。
萎凋 午後20時40分

選別を終えて萎凋を行っています。
放置しているのではなく、完成後の香りを左右する重要な作業です。
- 日光萎凋 4月13日午前7時ごろ

一晩の室内萎凋を終えて、日光に晒して発酵させます。
揉捻 午前11時ごろ
萎凋を終えて揉捻をします、マシーンで新芽を揉んで発酵を促します。
発酵
揉捻を終えていよいよ発酵させます。

発酵工程を行い、1時間ほどで見た目が綺麗になってきました。

- 試飲 午後4時ごろ

発酵3時間で試飲、発酵がまだ足りておらず、ちょっとだけ、渋みがあるらしい。
発酵止め
発酵4時間にて発酵を終えて、発酵止め(乾燥)を始める。

この日は昼間の気温が温かかったので、発酵が早く進んだようです。
完成 桐木野生金駿眉 御茶荘 2020
2020年4月13日 午後7時ごろに完成しました!

5人で茶摘みをして、完成したのは・・・・全部で595g(1.2斤)

この記録で見るとわかるのだが、職人さんたちの労力と手間を考えると、高額かつ希少な茶であることには疑いの余地はないと思われる。完成した茶葉の量は少なく、、希少だ、中国国内に正真正銘の桐木の金駿眉が溢れるとは考えにくい。

誕生したばかりの正真正銘の金駿眉 2020の茶葉 御茶荘
予価は恐らく6g160元(中国国内の特別価格)去年は予約分で完売してしまったらしい。
金駿眉にはランクが多数あり、標高や混ぜ物などでも差がある、これより安価な金駿眉もあり高価な金駿眉も存在する。

私たちが町で目にする黄金色の金駿眉とは見た目が異なるイメージ
葉さんには製茶の様子を送っていただき感謝です。
希少なお茶ということを留意して飲みたいお茶ですね!
日本到着 試飲
2020年6月13日 無事に玄関先へ到着して翌日に試飲した

茶葉そのものからの香りでも重厚な香が漂っている、茶葉は硬く身が締まっている、新芽のみの為1gでも体積が大きくふわっとした見た目、お湯を注ぐと無煙の正山小種らしい焼き芋とフルーツと竜眼の香りが出ているがその香りの密度が高い。

洗茶も試飲して、5煎ほど飲んでみた。(1煎は50mlほど)
口に含んだ瞬間の強くても優しい明確な余韻に感動、味は桐木関正山小種(無煙・無燻)の銀駿眉や小赤甘と共通の味わいであるが、口の中で感じる正山小種紅茶の味わいは澄やかでキレが強烈。
- 茶液の密度とミネラルの凝縮感は体験したことのないレベル、高級な正山小種紅茶をキレイに濾して、味わいを3倍程度に凝縮したかのようなお茶である。
- 香りはやや竜眼方向でミネラル感が半端ではない、香まで凝縮されている。 透明感・凝縮感・余韻の強さ・キレ共にまったくの異次元であった。

0.95gで15煎程も余韻と香味かなり安定して維持され、冷めた時の味わいも別格、この茶は味を味わう茶というより、口と全身で茶液の重さと密度を感じる茶だと思った。
感じようと思わなくてもその余韻の強さはわかる。最終的に約1gで20煎も飲むことができて、かつ密度を感じる異次元の紅茶だと思う、マニアとして、この値段なら大いに追加で買いたい、そして飲みたい茶・・・これから追加できるか交渉する。
金駿眉のおすすめの飲み方
- 使用する茶葉は4~5粒のみ 茶葉の重さは0.05gほど

- カップに茶葉を投入して、余熱せずにそのまま熱湯を注ぐ(湯量は適当でよい)
- 茶葉に直接熱湯をたてないようにするとなお良い
- カップの温度で熱湯の温度は下がるため、新芽の繊細な香味が引き出せる

- 適度に色が出てきたら飲みごろ この場合が5分程度
- 飲んだ後は状況次第では二煎目も楽しむことができる。
あまりの美味しさに追加注文してしまった・・・金駿眉の強い余韻と奥深さを体験するには茶葉を極少で飲んでみることをお勧めする。
協力 御茶荘
http://www.ochaso.com/ (外部リンク)
御茶荘 上海の大寧国際茶城2階に店舗と武夷山に工場と倉庫がある(正山小種と武夷岩茶)日本語対応可能な中国茶専門店、ここの店主である(葉国華)さんは4月は桐木村で正山小種を作っています。普段から武夷山と上海を往復する生活を送っているらしく、武夷山に戻ると紅茶や岩茶の製作・仕入れ・焙煎を行っていて、4~5月の新茶の時期は葉さんは留守にしていることが多い、岩茶や紅茶の新茶を求める際は8~9月に訪問することをお勧めする。
超希少かつ高価な金駿眉を飲むときは、蓋碗や茶壺を乗せて0にして0.01g単位で軽量できる、はかりは必須です。送料込みで1000円以下なので超お勧め!

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