香木につきまとう、贋作・偽物疑惑・・・・・香木を手に取る人なら誰でも気になる話し。
偽物について
何十万円で購入した香木が、ただの木だった、価値の合わない粗悪品であった等と言うことはよくある事なのです。
- 私は2019年の一年間にそのような話を何件も聞いた為、この記事を更に詳しくして再公開しました。
- 粗悪品を掴んだショックにより香木愛好家が減らないようにと願うところです。
- 香木で騙されるということは、精神的にも金銭的にも多大なダメージを受け、自身の心に致命的なダメージを受けるのです。
- それが自分の目が悪いのか、販売した業者に非がるのかについて言及できないですが、自分の目が肥えることでリスクを軽減できます。
いかがわしい物体であふれる香木市場
香木(香道)(香木の識別)というカテゴリーは香木自体の資源量の少なさや歴史的経緯から基準や区別方法は秘密や秘伝を前提としています。
- 香木の六国の区別法などは香道に入門することで習得できるのですが、漏らせば破門を覚悟しなければなりません。
- さらにその区別法は流派ごとに異なる物であり、共通性のある内容か独自性の物なのかそれすら秘密となっております。
- そして香道ではなく香木というすべてにおいて共通の基準などは存在しておらず、お店や香人の主張は何かを基準にしていると考えられますが、そのあたりもそれぞれ由緒は異なり基本的には秘伝です。
- さらに香木はその特性から鑑定のとても難しい品物であるため、偽物、いかがわしい物は作りたい放題であります。


(コスパの高い お勧め沈香 広告)
品質の鑑定と評価
更に詳しい記事を書いたのでこちらの記事と一緒に見ると粗悪品を見破れると思う。
判断と鑑定の手がかり
- 見た目、常温での香り、手触り、重量感、削ってみる、焚いてみる。
- 最終的にはそれらを総合的に考え経験と照らし合わせての判断となる。
画像での判断
- ある程度香木について知っていれば、基本的に画像による判断により粗悪な贋作はすぐにわかる。
- 真っ黒・ただの木片・いかにも日本的でない、怪しい箱入りの物体など
香木の鑑定と識別は基本的には現物を手に取らなければわからない。
- 木目・形状・色 香道や香木に触れて経験を積んだ人ならば、品質高低や香木の産地や木所を想像できるが、香木という特性上、現物を手に取らなければ、根本的に詳細はわからない。
- 断面の様子 断面の様子はわかりやすいポイント 樹脂の密度や中が空洞など
現物を手に取った場合の鑑定の手がかり。
- 常温での香り 鑑定方法において有効な手段、伽羅の一部を除いて常温での沈香の香りは、無いかとても穏やかで、あまりに強く香る物は着香を疑う。 気温・天候・香木そのもの大きさと体積・樹脂の質により、この香りは大きく変化する。
- 加熱する、炷く 最近の香木の贋作は沈香オイルに着けてあるため、削り炷いた際にも強く香るため、初心者は引っ掛かりやすい、最近は沈香片や刻み割を沈香抽出オイルに漬けた物が出回っているらしく、素人は手に取っても贋作だとわからないようだ。
- 重量感▪手触り 非常に有効な鑑定方法だが、一般的な感覚でない、香木の原木をいかに見て触ってきたかの経験が活かされる。中に仕込まれた異物や詰め物を発見する手がかりにもなる。
- 木所・伽羅の鑑定 これらは基本的に秘伝とされているため、流派や専門家の由緒により基準が異なるため、非常に奥が深い、木所を学習するために香道に入る方も多い、このページでは木所の鑑定と識別は分野が異なるため木所の鑑定は触れていない(別記事参照)。

このくらいの品質の沈香は、中レベル(1g3万円台)伽羅なみの品質を持っており、これぞ高級沈香の香りという香味を持っている(香りは蛮系)このような香木(沈香)を手本に偽物は作られる。
➡断面の観察は新記事の沈香の品質及び等級を見極める の内容が詳しい
そもそも香木とは何なのか
香木(こうぼく)は、心地よい芳香を持つ木材のこと。沈香と白檀が有名である。 薄片に削ったものを加熱して芳香を楽しむのに用いられる。香木の芳香のことを「香」という。白檀は熱することなく香るため、それ以外にも仏像などの彫刻や扇子や数珠などの材料として用いられる。 ただし、香木のにおい成分を含んだオイルに木のかけらを漬け込み、「天然の伽羅」と称して高額をつけ、商品知識のない消費者に対して暴利で販売をしていることがある。一部の業者でこうした偽物を販売しているため、注意を要する。
https://ja.wikipedia.org/wiki/香木
ここに書かれている(オイル漬け)とは、泡油香木のことであると考えられますが、泡油は模造品であり偽物として立証するのは難しく、さらには伽羅か伽羅ではないか?を判断して証明するのは非常に難しい。
- 基本的な考え方として、香木とは匂いのする木(木片)であるととらえます。
- ならば、どんなことをしても木材に臭いを付ければ香木となる、ならば私は香木には偽物があるとは断言できない。
- 基本的に鑑定方法秘密なので、知っている人も難しく説明は困難なため漏らさない、ほかの骨董品と同じく買うほうが悪いとなる。
- すなわち偽物という言い方はできない、いかがわしい物 このように非常に偽物が入り込みやすい構造である。
このブログにおいては、このようにオイルや香料を用いて、着香した物体やあまりに低品質な香木を六国や伽羅として販売している場合は贋作とします。
代表的な偽物や粗悪品の種類と状態
- 泡油(オイル漬け沈香・着香イミテーション)
香木のにおい成分や香木から抽出したオイルに木のかけらを漬け込んだ木片。ベトナムの土産品やネットオークションにおいて豊富に流通している。
- 悪品・悪質な基準の齟齬・基準があからさまにおかしい
低品質な沈香のかけらを「伽羅・真南蛮・SSS沈香」など適当に高品質沈香(伽羅)の名前を付けて販売する。
- 箱ばかり・箱のみ・中身すり替え
安価であっても見た目は綺麗なのだが(香りの無い)沈香のかたまりをたいそうな箱に入れていかにもという感じで販売する。純粋に伽羅の入れ物や桐箱を用意して中身は別に用意する、古物店やネットオークションで非常に多い手法であり、(低品質の伽羅とベトナム刻み沈香)など見た目で区別の難しい組み合わせでやられた場合の画像のみでの見分けは非常に難しい
➡ 香りの無い沈香(伽羅)の塊、保管方法が悪く香りが飛んだ香木やもともと香りが薄い香木のこと。
- 詰め物・仕込み
見た目が極上の伽羅沈香であったのにも関わらず、香木内部に釘や重り砂などが詰めてあり中身が空洞であった。釘や重りでなく蝋やベンゼンが仕込んである場合も。
- これらは上へ行くほど悪質性は高い
- 積め物や仕込みは採集地において行われることなので販売しているお店に責任があるのかは不明。原木での購入した場合はお店には責任がないと業界では考える場合が多いようだ。
香木の偽物やいかがわしい物で絶対的に多いのは、「悪品」「スリカエ」「箱ばかり」
感覚的に古美術店で売られている8割は上のどれかと思って良い。ヤフオクで取引される特上伽羅100g(桐箱入り)100000円や1g2000円以下の伽羅は、これらのどれかに当てはまる物だと思って良いだろう。香木カテゴリーはいかがわしい物が非常に多い。もしも、真正の伽羅ならば価格が安すぎて、通常は出品を取り消すだろう。香木の買い取りに出すだけでこの程度の価格を簡単に上回るだろう。
対策方法はシンプル、少しでも不審に思ったら手を出さない
- 香木の相場(店頭における)
リスクを伴う購入方法
並~高いなどはリスクの高さ
- 古美術店(並~高・買取品 極高・委託販売)
- 露天・骨董市場 (高)
- ネット通販(並・一般店 低~極低・国内専門店)
- 個人間売買システム ネットオークション フリマアプリ (極高~低)(出品者による)
- ⇒ネットオークションやフリマアプリにおいては、最高級の極上品・入手の難しい沈香群と典型的な泡油や各種のいかがわしい香木が同じ画面で表示され、盛んに売買されている。
- 出品者のレベルは様々であり、香木を専門~準専門としていればリスクは極めて少ないだろう。
- 自信があるなら質問や希望を伝えてどこまで回答できるかなど試してみると良い。
偽物の特徴 (見極め難易度)
★多いほど見きわめは難しい。
- 見た目の質感が悪い。 (★★★)
- 中途半端な桐箱入りが多い。(★)⇒桐箱の質感が悪い(★)
- 見た目が黒っぽく、木目が汚い(★)(黒油伽羅や真南蛮は黒っぽくても、美しい木目や独特の年輪そして独特の輝きがあります。)
- 木目が不自然(★★)
- 彫刻刀跡が不自然(★★)
- (彫刻刀の跡は香りのない、白木部分をそぎ落とす物で見た目を綺麗に見せるためでない)
- 切り方や加工・切れ目の角がおかしい(★★★★★)
- (品種や香木の品質や切り方などの見極めが必要)
- 断面の研磨後痕が不自然(★★★★)
- サイズが小さいのに常温で強く香る。(★★★)(伽羅の極上品の場合もある)
香木の基準の違い
店ごとに香木の分け方の基準が異なるため、収集の初期は混乱する場合があるのだが、それが悪いということは全くない。
- 香木にしろ、お香の匂いの格が各社とも同じなら、店の信用は成り立たない。
- 香木の用語や基準等が店ごとに違うことが、現在における店の信用でもあり、それぞれ違う事に価値がある。それらが同じならば顧客からの信用や自社(伝統的・継承的)秘伝や(他社との違い・ほかのお店との差別)は崩壊していき、線香や練香など香木を原料とする各種のお香においても消費者にとってはつまらない物となってしまうだろう。
- 店の信用による消費者の動き
- ➡偽物を買うのが怖いからと有名なお店において消費者は1g香木を数万円の香木を求める。
悪意があるとは限らない。
香木の基準は上記のようにさまざまであり、良品と低質品の区別やその基準など、国や地域そして店舗・使用者の好みでかなり左右される、伽羅関連の各種の判定方法・厳格すぎる木所の基準・先生や流派による木所における基準の差異・インドネシア沈香とベトナム沈香の判定・古渡沈香(伽羅)における渡来時期の感覚・香りの良さとは関係のない六国の区別など、香木の基準は極めて複雑であり、さらに個人的な香りの好みなどが加わる。この辺りの香木の趣味と流派と伝統の世界において、一般消費者が入る余地はほぼないだろう。結局のところは鑑定や識別の核心的なところはすべて秘密もしくは数年以上かけて、お稽古で習うものとされている。
- 流派や店ごとに自分たちの香りがあるため、○○流の伽羅は厳格だ、〇○店で売られている伽羅は香りが濃く深くて良いとか、〇〇店の伽羅はバリエーション豊富など言う話題が愛好家の間では出てくる。
- 絶対基準は明確でないものの〇〇は知っているだろう、この〇〇〇基準は守っているだろうという愛好家と買い手の前提で成り立っていると思われる。
- そのため手元の香木が気に入らなくても、悪意やごまかしがあるとは全く限らない。
保存状態
ニセモノの話とは少し外れますが、香木を購入する場合で大切な要素は保存状態です。
- 香木は保存状態が悪ければ、香りは失われて価値を大きく損なってしまう。
- 木質が柔らかい伽羅に関しては、油質の関係で香りが飛びやすく、適切に保存しなければ小片(0.2g)以下では切断から数年程度でかなり香りが損なわれます。
- どれだけ優れた香木であっても、直射日光に長期間晒してしまえば、香りはかなり損なわれる。
- 別の異臭が着香すれば、聞香できない香木となるため、価値は同じく大きく下がります。(一緒に保管して線香の香りがついてしまうなど。)
- これらの香りが飛んでしまった、別の香りがついて香木としての機能が失われた香木も偽物・贋作ととらえる方がいるようです。
- 見た目が極上の伽羅でも、購入後の不満はこのような原因ではないかと個人的には思いました。
苦い経験をされた香木趣味の方々の話を何件も聞いて・・・
愛好家の利益になるように記事とブログを再公開しました。
- 最近は大金を投入したのに、見た目が良いだけで、香りが飛んでいたなどの話を聞きました。
- 2017年当時のこの記事を書いたときには、こういう記事を出してしまえば、かえって偽物作りの参考になる恐れがありましたので出しませんでした。
- 例えばいくら見た目が最上であっても、詰め物は写真ではわかりません。
新年の挨拶 2020年1月1日香木を趣味とする皆さま明けましておめでとうございます。令和二年の正月は温かく、私も半年ぶりに香木の熱い記事を書きました。
最初の投稿 2018年02月16日
アメーバに記事の投稿 2019-1-1
私は香木の画像は過去の苦い経験から基本的に公開していませんので、図鑑などを参照していただきたい。偽物の画像や鑑定方法も掲載されていました。

香木の計量と茶葉の計量に!お勧め

(コスパの高い お勧めシャム沈香 広告)

関連記事 (この二つの記事を読まなければこの記事は噛み切れないし理解は難しい)
- 沈香の品質を見極める。
- 伽羅と沈香の違い
合わせてお勧めの記事 (香木の転売ブーム・悪魔の香木事情)
香木(沈香・伽羅・六国・聞香)記事の一覧へ

コメント
[…] […]
[…] https://seonyan.com/kouboku/kouboku-kyara-agarwood/nisemono/ このブログ記事(より香木の贋作を見極め)より […]
[…] […]