武夷山市桐木村にある半野生化した茶樹から作られた高級正山小種、この紅茶は桐木関の麻栗周辺、標高1000-1500mに数百年前から人の手により植えられて、自然に馴染むように放置栽培されている実生(奇種)かつ灌木型の最低樹齢60年以上平均100年の原料を利用した正山小種(ラプサンスーチョン)紅茶の高級品である桐木紅茶の一種で生態老欉紅茶とも呼ぶ場合がある。
老叢すなわち樹齢が高いことが重視される理由
- 老欉は飲み心地、後味(余韻)、透明感、香りが圧倒的に良い
- 樹齢に比例して余韻は深くなるため中国茶の世界では老欉であることはとても重視される。
- 樹齢が200年以上の原料も配合されている。
製品の説明
武夷百年老欉
武夷山における紅茶の名所、桐木関の有機栽培かつ実生の茶樹のみを使用、小赤甘や銀駿眉と同じ畑で産し収穫を遅らせ烏龍茶サイズの茶葉で収穫した桐木大赤甘紅茶を基本としつつ、正山小種がイギリスで流行した1800年代に植えられたと思われる半野生化した武夷浪菜をミックスした製品、桐木関らしい岩茶なみのボディと口当たりと香り良さ、心地よさが特徴。価格5グラム550円~
武夷麻栗二百年生態老欉紅茶
桐木関のなかでも特に良質な茶を産する麻栗地区と標高1500m以上に分布する正山小種がイギリスで流行した1800年代に植えられたと思われる半野生化した樹齢150-300年(平均200年)の大木の奇種をミックスした製品、圧倒的な余韻と飲み心地、これぞ中国茶の醍醐味 価格5グラム1300円~
桐木関荒野老欉紅茶
桐木村標高1600~1800mに分布する半野生化した樹齢300年以上、すなわち特に厳選された原料のみから作られた紅茶、5グラム3800円~
海抜1500m付近にある樹高は2mほどの桐木奇種の大木。
烏龍茶に似た雰囲気を持つ
- 燻製(燻煙)は行われておらずラプサンスーチョン紅茶にありがちな煙味は無く、そのものを味わう(無煙)原味タイプである。
- 茶葉は見た目が特徴的で春一番茶をあえて茶葉が烏龍茶サイズに成長してから収穫している。
- ➡紅茶特有のタンニンは強くなく渋み苦味は押さえられており胃に負担は加わりにくい。
- ➡濃く出しても渋味苦味は無いに等しい、濃く淹れても味は壊れない。
このような特製から、がぶ飲みが可能で烏龍茶のような作りの紅茶であるため、鳳凰単叢やプーアル生茶のように茶壷や工夫式で煎を重ねることができる。蓋碗で茶葉を多めで飲むと真価を発揮する。
- 岩茶に似たすこし変わった高級紅茶
全般的な雰囲気が烏龍茶に似ているからか?烏龍茶愛好家に飲んで頂き感想を聞くと(これが紅茶なのか!)と驚かれる。製作方法を考えれば(紅茶)であるのだが、岩茶の風味(岩骨花香)と同じ香りであったり、味わいにおける共通点を複数持っており、私も初めて飲んだときは紅茶だとは信じられなかった。さらに高標高・高樹齢・実生という中国茶における高級茶の要素を複数満たしながらも、青茶(烏龍茶)ではないということに加えて、知名度が低く今のところは岩茶と比べれば値段はかなり安価である。作者である葉老師によると(中国において評価されだしたのは、ここ2017年頃からだということだ)
茶摘みと製茶の様子
隊列を組んで、野生化した放置茶園までは登山をする、まるで本格的な松茸狩りのようだ。
百年老欉紅茶、茶摘みの様子。
2020年5月20日~22日にかけて百年老欉の2020年版の一部が作られました。
情報
発売元名称 桐木百年老叢(欉) (とうぼくひゃくねんろうそう)
現地における表記 BǎiniánLǎo cōng 百年老枞
茶の穂(日本代理店名称)
武夷生態老叢紅茶
品種 武夷野生種 (奇種)
原料の産地 中華人民共和国福建省南平武夷山市星村鎮桐木村周辺
標高 1000m-1500m/二百年は1300-1600m
樹齢 60年以上 平均100年/100年以上300年以下平均200年
有機 有機認証等は無しだが無農薬無肥料自然栽培(生態老欉)
茶師 葉国華
種類 紅茶 (正山小種/ラプサンスーチョン)
燻製 無煙・燻香は無し
現地での現地での人件費高騰や製茶技術の向上により等にて小売り価格が上昇しました。
武夷百年老欉紅茶 価格
2019 3次焙煎 5g580円 50g4500円(在庫あり)
2020 2次焙煎 5g750円 50g売り切れ
2021 5g750円 50g5900円(在庫あり)
武夷麻栗生態二百年老欉紅茶 価格
上位品 標高1300~1600m 樹齢100年以上平均200年
2019 1次焙煎 5g1300円(在庫希少)
2022 1次焙煎 5g1400円(在庫希少)
桐木関荒野老欉紅茶
最高級マニアクス品
2021 1次焙煎 5g4000円(樹齢300年以上)
2022 1次焙煎 5g 5040円(樹齢300年以上)
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岩茶と一緒に飲みたい紅茶
やはり原料の良さから風景区の岩茶と比べればその透明感と余韻において秀でており、同じ武夷山地域の茶ということで共通の味を楽しみながら、そして比較しつつ楽しむのが良い。
2020年 (完売)
春先に輸入したロットは新茶の手付かずの風味を楽しむよう作られており、製造法の問題から8月以降や不安定で水との相性次第では薄く感じられた、この問題を炭焙によるローストで安定化させ長期熟成にも耐えるよう進化させ原料も調整したのがこのロット。
茶葉そのものからの香りはクッキーのような甘い香り、まるで岩茶のようである。茶葉4g洗茶二回、周囲には竜眼を連想する鋭い甘い香りが広がり正山小種の無燻らしい感じ良い、ティーカップからのアロマは鼻をくすぐるスパイシーなトップノートを完備、どこかピノグリやシャルドネなどの白ブドウから作られた白ワイン連想する。
更にフルボディのミネラル香が素晴らしい。口に含むと、なめらかでさらさらとした水質だが瞬時にわかる強い余韻と透明感に圧倒される。トップ・ノートから上半身を上から腰に突き抜ける何とも言えない強くとも繊細な余韻と体感でクラクラしてしまう。後味はやはり白ブドウと竜眼、そのジュースを飲んでいるかのような明瞭な甘さが長続きする。煎が進むとブランデーのような雰囲気を持つ、現状では茶液の色は薄いオレンジだが、このポテンシャルを考えると現状でも素晴らしい出来だが、二年以降の長期熟成で濃厚化して竜眼&ブランデーのような風味を得ると考えられる。柔らかくも上半身に加わる強い余韻が堂々たる老叢らしい。
2019年
- 余韻を感じる紅茶
鳳凰単叢や岩茶の老叢水仙に似た明瞭で分かりやすい余韻と体感が特徴で、飲んだ際の体感はインド・ネパールの紅茶や雲南紅茶やそもそも茶葉の小さい正山小種紅茶と比較することができずに、比べるならば烏龍茶に似た雰囲気、やはり老叢の鳳凰単叢に似ている。
基本的にスッキリしていて、プーアル生茶のように大量に飲んでしまう。知らぬ間にティーカップ三、四杯は飲んでしまうが、胃が痛くならない、ということで驚かれる。
2019年産は台湾高山茶で感じることの多いとろけるような乳香の甘い香りを強く感じる。香りは複雑であり、柑橘系のレモンの香りが含まれているが、根本的には、正山小種らしい、まろやかな熟した特定できないフルーツ香が主体であった。岩茶の岩骨花香に似た重たく、満足感のある香りが含まれているために、岩茶に同様に煎が進んで強くなくなった香りでも、満足感を得ることができる。
同じ輸入元と同じパッケージであっても複数のロットがあり、国内でも同銘柄で多数が売られているが、火入れのやり方や原料による品質差異がある為にこちらで紹介してる物は味と余韻から桐木関麻栗紅茶として区別している。
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更新履歴 2022年9月27日 為替レートとリニューアルをしました。
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