香道における香木の種類
六国五味とは香木の分類法のひとつ・香道における香木を伝統的かつ秘伝的な基準を用いて六種類に分類する習慣があり、これを国と例えて六国列香とする、それらの解説
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六国列香とは?
六国とは、香木を香りごとに六種類に分類する日本古来からの香木区別法。香木で六国と言えば基本的に香道で利用する香木のことであり、香木という枠のなかで香道において用いる一定の香りが出る物であると言える。例外もあるが沈香の高級品という認識で良い。
基本的に六種類だが、新伽羅を足して七種類とする場合がある。
六国列香の基準や使用する香木は流派によって区別法や使用する香木は異なる。
- 例 志野流では志野流の六国があり、御家流では御家流の六国があり、お店ごとに六国を定める例もある。
- ➡お店で販売されている六国列香は基本的に御家元の定めた香りの出る香木一定のなど、一定の根拠をもとにして店が独自に六国を選別して売られているため、実際の香道で用いない香りの出る香木や好みの問題があり、その木所で使われるとは限らない。
- ➡最終的には使用者の判断(先生の判断)となり、香道の流派や好みにより利用する香木が大きく異なるため、最終的には使用者(流派先生)の判断となります。
- ➡上記の行き違いを回避するために御家元の指導下で香木を選択するお店もあります。
香木の銘について
- 香木に銘が付いている場合がある
- 正銘・御家元銘とは?その中から厳選された、一定のサイズの物を御家元に提出して木所・味・位が付与された香木のこと。しかし、家元に半分を献上するなどの習慣があり、事実上サイズの大きい沈香は更に単価にプレミアム価格がつく現状において、銘を貰う手間と販売価格を加味すれば、正銘が今後は増えることはあまりなさそうだ。
- 対して仮銘はお店などが一定の基準をもとに付けた銘
木所=香木の種類
読み方と解説 この項目は伝統的な分類に基づきます。
- 味 志野流で使う香木における香味 御家流における代表的な香味
- 人や職業への形容 香りの陰陽 略号(記号)産地
以下の項目は独自の見解に基づきます
- 香木の産地 利用されている香木の主な産出地及び国
- 希少性と価格の高低
- 参考事項
香木愛好家として重視するポイント、香木を聞く場合は木所の系統を意識しつつ楽しみ学習してコレクションする。
- 取集と触れ方・お香屋で六国として販売されている沈香のセットを購入して聞く。
- 六国とされている沈香を購入する。それらを本格的に学びたければ体験や香道に入門する。
五味について
五味は香木の持つ5種類の香味のことで、こちらはどの流派でも通用します。
五種類で甘・苦・辛・酸・鹹・慣れないうちは全て甘い香りと思ってしまうのだが、慣れるとわかるようになってくる。この五味の認識は香木を収集するうえでの必須事項となり、この五味をおおよそ覚えなければ香木愛好家や香道家の一定以上の会話や文章についていけません。特殊の香りなので例えるのは非常に難しいため以下の解説は独自見解にもとづきます。
- 甘(あまい) 黒葡萄の甘さ・ラムネや上白糖の香り・
- 苦(にがい) クローヴ(丁子)の香り・漢方薬の香り・上質な沈香の香り
- 辛(からい) 一味唐辛子の香り・唐辛子の辛味
- 酸(すっぱい) シトロンの甘さ・レモンの香り・梅の花の甘さ
- 鹹(しおからい) 海藻の焦げた匂い・ミネラルの香り・軽い汗の匂い・木材の燃える匂い
六国の種類
伽羅
- 読み方 きゃら Kyara 略 イ(一)1
- 味 志野流(苦)御家流(苦)
- 宮人公家天人・陽・一・ベトナム
- 産地 ベトナムの中部高原とその周辺
- それらの種類は豊富であり、伽羅は奇楠・奇楠香・奇楠沈香とも言う。
- 木所における伽羅は流派ごとに一定品質の伽羅から更に選別する。
- 伽羅は香道以外でも一般的に香木の最高級品を表す言葉として使われている。
- 香道における木所の伽羅と世界における伽羅に関して一致とは限らない。
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羅国
- 読み方 らこく Rakoku 略(二)2
- 味 志野流(甘)御家流(甘)陽 シャムタイ
- 産地 ベトナム
- 聞香用としては希少 価格は高価な部類
- 香道で利用する羅国は伽羅の中から選ばれる場合がある。
- 甘 が特徴
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真南蛮
- 読み方 まなばん Manaban 略 (三)
- 味 御家流(鹹)志野流(甘)
- 百姓・陰・三・マナバール
- 産地 ベトナム タイ カンボジア 中国雲南 インドネシア スマトラ島
- 六国として流通量が豊富 価格は高低ある。
真那賀
- 読み方 まなか Manaka 略 ウ
- 味 御家流(無味)
- 味 志野流(鹹)
- 女・陰・ウ・マラッカ
- 産地 ベトナム タイ カンボジア マレーシア ボルネオ島 ブルネイ・ダルサラーム国
- 木所の範囲が広く 使う香木の範囲は価格品質は高低ある。
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(六国列香の例)
佐曽羅
- 読み方 さそら Sasora 佐曾羅とも
- 味 志野流(酸)御家流(辛)
- 僧・陽or陽・花一・サソリー島
- 産地 インドネシア各地 カリマンタン島 スマトラ島 インド(栴檀)
- 香木の種類 沈水香木・栴檀
- 流派によっては栴檀や白檀を使う場合がある。
寸聞多羅
- 読み方 すもんだら Sumondara
- 読み方 すもたら Sumontara
- 味 志野流(酸)御家流(酸)
- 地下人・陰・花二・スマトラ島
- 産地 カリマンタン島 インドネシア
- 香木の種類 沈水香木・黄熟香
- 伽羅の陰気を持ち、酸味の強い香木を使う場合もある。
- 黄熟香(ゴニスティル属)を利用する流派もある。
- 伽羅の聞き比べの際は黄熟香を当てて、鼻を洗う。
新伽羅
- 読み方 しんきゃら Shinkyara 略 花三
- 味 志野流(苦)御家流(苦)
- 伽羅の円熟していない物
- 産地 ベトナム ラオス
- 種類 ベトナム沈香・奇楠沈香・伽羅
- (円熟していない)とは?香りのよし悪しという意味ではない。
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六国の香木の価格と相場
沈香の高級品である六国沈香は希少価値が高い物が多く値段は通常の沈香より高い
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- 六国五味を聞く為には六国沈香セットの購入を推奨

六国に分類される沈水香木を聞く為には香舗から販売されている六国セットを購入することが早い
- 写真の見本は京都の老舗香舗の六国セット2017年ごろの価格は64800円であった。非常にお買い得だったと振り返る。現在だとこのクラスならおそらく12万円程度が相場だろう。
- 店の人は👆で(最後の一個)だと話していた為に現在販売されているか不明
個人的なお勧めは山田松香木店の物だが六国のセットは希少性が高くなかなか通販では手に入らない。
- 実店舗か限定品としての直販サイトでの購入が必要
- 六国セットの値段は安い物だと1.5万円~3万円ほど
- 香木の品質が高いセットだと10~20万円ほど
注意事項
- 木所における香木の種類は流派・店・などで当てる香木は異なります。
- 御家流として紹介している味は、御家流香道の一部でありこの限りでない。
- 東方ロストワードにおけるアイテム香木の解説は御家流を基準としていると考えられる。
参考文献
- 香木を学習する文献が増えた為、探求は更に深まり、これらの書物や先人からの情報を入手により、ブログという機能と香木の愛好家というマニアという地位を生かし、個人ブログという性質上、内容の精度を上げるために、4年以上も繰り返し非公開・公開・内容改定を繰り返しているのが本ブログである。
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