水金亀(すいきんき)武夷岩茶の品種の一種その名前の由来と歴史
水金亀
名前の由来
清朝末期に茶樹の外見が低く、枝や葉が密集しており、芽吹いた際には金色に見えること、樹形を遠くから見ると亀の甲羅に見える。
さらに茶葉のシワが濃密でクサガメの甲羅に見え、葉もまるで水から上がって濡れて陽光にあたり金色に輝く亀の甲羅に例え水金亀と命名された。
歴史・訴訟で有名になる
水金亀の母樹は牛欄坑葛寨峰の中腹にある天心永楽禅寺が管理する茶園で栽培されていたが、1920年の豪雨被害により、岩の上の茶園が崩壊して濁流と共に牛欄坑の谷底へ流れ落ち、蘭谷岩付近のあまり大きくない岩陰に流れ着いた。
それを発見した蘭谷岩周辺の管理者はその周囲に石段などを整備して管理を始める、しかし永楽禅寺は異議を唱え母樹の管理権を取り戻そうと訴訟を起こす。
それからお互いに母樹の権利をめぐり泥沼裁判を繰り広げたことで知名度を上げた、そのため(司官茶)日本語で(裁判の茶)という異名を持つ。
訴訟の結果は永楽禅寺から盗難されたという判決が出たという情報もあるが、最終的には根ごと移動していること、自然災害による移動が明白であった為に当時の中国(中華民国)の法廷は母樹の移動は神の決定であったという判決が下されている。
ただし双方は大金をかけて20年ほども争い続けた、湯水のごとく金を使い訴訟を重ねたこと、水害の結果を金で争うことを民衆化から水金(亀)の所有権を水・金・亀と揶揄され更に知名度を上げ四大名叢の一つに数えられるほど有名になった。
- 1920年はスペイン風邪インフルエンザによるパンデミックのさなかにあり原因不明のウイルスに対処するべく茶の薬効に対して期待が高まっており、茶についての関心が高まっている時期であった。
水金亀裁判から100年後の2020年には武夷山豪雨により風景区も市街地も大打撃を受けさらに武漢で発生したCOVID-19のパンデミックにより中国を始め世界中の年が閉鎖され国際旅客便は欠航し多数の死者を出すなど世界がパニックに陥り、そのさなかにあることは皆さまご存じの通りだ、そして茶の薬効が期待されており岩茶への関心が高まっていること、100年前に武夷山は豪雨まで同じ目にあっていることから詳しい記事を作成した。歴史は繰り返しているようだ。
茶の穂 高山水金亀 2023
高山水金亀 2023 11月発売ロット 2回炭焙煎早摘み型
店主の感想 香りアロマ、バニラやマスカット、口に含むと岩茶らしい、フルボディで直ちに甘さを感じる。香味は水金亀らしい、お洒落な花香と白ブドウや新鮮な秋の果物をイメージ、そのまま残り、後味は長い。 水金亀らしく伝統型品種らしく香りは穏やかながら、味の強さや風景区三坑両澗の岩茶にも共通する大きな口感、水簾洞の岩茶にのようなみずみずさに加え、深い甘さが特徴。清香型の岩茶がお好きなお客様に向いております。11月2日発売の水簾洞老欉水仙と金奨走馬楼老樹肉桂に共通する瑞々しさから、一緒に飲むのに最適な商品であるため同時に発売いたします。
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水簾洞産のような味を持つ水金亀ですが、東渓水庫国家AAA級景区の高山茶らしい透明感と喉韻が明瞭であり、これぞ高山茶という透明感です。
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高山水金亀2023年は11月1日発売ながら11月7日に売り切れた為、別ロットを再発売。
高山水金亀 2023 伝統型中火 12月発売ロット
高山水金亀の後継商品、価格据え置きのまま機械収穫から手摘み&さらに高度な有機栽培&工房製品から焙煎士個人作になりました、透き通るような透明感と花香はそのまま火香なしの甘さとジワジワ伸びる後味が加わりました。
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アロマ、焦がし砂糖や黒砂糖、バニラやマスカット、口に含むと岩茶らしいおおきなフルボディで直ちに甘みを感じる、香味は水金亀らしいお洒落な花香と白ブドウや新鮮なりんごをイメージ、後味は長い。
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悟源澗道観(磊石庵)は道教の寺院
茶の記録 水金亀
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2020
焙煎 中火 炭焙により丁寧に火入れされている。
茶葉3.2グラム、茶葉そのものからフルーツの香りがしており期待できる。洗茶は一回、茶海に2~8煎を移しての感想。
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茶杯からの香り(アロマ)岩茶らしいミネラルの香りとスパイスの聞いた花梨やミカンに加え黒糖を連想する香り、口に含みとミディアム寄りのフルボディで岩茶らしいミネラル感と円やかな甘さを感じる。香味(フレーバー)はパイナップルやオレンジなど黄~オレンジ色のフルーツ、とキレのある甘さが混ざり、飴のような後味となった。コク(余韻)は喉付近肩上までと岩茶としてはそれなり。
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感想 水金亀らしいミネラルとスパイシーな柑橘類を連想するフルーツ香が良い、程良いミネラル感とボディーに余韻(岩骨花香)を持つ。2020年は岩茶は特年なのだが、その良さを生かし良くできた名叢の岩茶だ。水金亀のお手本として少量購入したがもっと買えば良かった。
2016
三年ものあいだ放置した水金亀を飲む。
無農薬無肥料の自然茶ならば3年の陳化でキレのある、美味しさが出ているはずだ。
岩茶のよくある5g個別包装で保管していた。
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香はこれぞ水金亀という独特のキレのある香り
エグさは全くない!陳化(酸化でない)独特の芳香が漂う。
茶葉は締まりがあり、濃香の単叢のような見た目となっていた。
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陳化して優しくなっているかと思いきや、新茶の強さが完全に旨味や収斂性の転換されている、素晴らしいお茶であった。
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香り良さは逸絶であり、濃厚な味わい、シュトーレンという味の強い菓子にも全く負けなかった。
これは感動する。
お客様お感想
けyのお茶日記殿 外部リンク
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