八仙(はっせん)は鳳凰単叢烏龍茶の一種類であり別名(八仙過海)
八仙単叢
名前の由来は烏崠山にある去仔寮村(現・垭后村)に宋代からある鳳凰水仙の母樹から挿し木され、もともとは去仔寮種と呼ばれていたそうだが、別々の場所で生き残ったのが八株であり、その八本の茶樹は母樹の良さを引き継いでおり、さらに収穫時期も同じで茶葉の品質が一定で安定していることから、日本の七福神に相当する八仙人が宝物を持って船なしで東海(東シナ海)を渡る道教の物語である八仙過海の内容から。
八仙過海・各顕神通(八仙は海を渡るにそれぞれが神通力を発揮)使われ方としては(各自が得意分野で能力を発揮している)のようだと讃えれ1958年に八仙単叢という名称になった。
十大香型では芝蘭香型に属していて艶やかで爽快な香りが特徴だ。
鳳凰烏崠老欉八仙 2020
販売元の解説によると(烏岽山垭后村産・標高約1000m・2020年産・樹齢100年以上)ということは(発祥の地であり原産地・鳳凰単叢としては高い標高(1000mは価値が高い)大当たり年・老欉古樹)というスペックだけでもコレクターアイテムなのだが、上記のように理屈を書くだけならどのお茶屋でも、可能なのであり、そのような表記を見て、名前で飲んでほしくないと販売会社のCEOさんも中国でお付き合いしている茶農家さんも口をそろえて教えられてきた為、下記の感想を筆記したあとに上記の内容は筆記した。
2021年3月6日午前にHOJOからこの茶はやってきた、到着したら真空包装の封を切り一瞬、空気に触れさせてまた閉じて3日以降すると香りが強くなるので、楽しみに待つところだが、あまりに茶葉が美しいので1グラムだけで試飲してみた。
お湯を注ぐと周囲にはスパイシーなトップノートに加え、奥行きのある明瞭な芝蘭花香が香った(八仙って芝蘭香型の単叢だったのか)と感心しながら、洗茶をそのまま飲んだ、本来は捨てる洗茶ながら雨の多い年だったという2019年の竹葉単叢より濃密で強い芝蘭花香を感じた。
2煎目、口に入れた瞬間に感じるミネラルの香りと濃密な液体という感覚が素晴らしく、余韻も上半身に広がり感激的。香り(アロマ)最初はスパイシー(トップノート)さを伴う、ラズベリーや品質の高いブルーベリーの香り、次にセッコクや蘭、そして水仙を連想する香り(芝蘭花香)に加え、伽羅の香りを連想する、まるみのある蜂蜜とミネラルの香りが続く。
飲めばそのままその香りが香味(フレーバー)となり、後味となって口の中にしっかりと残る。残った際の後味は甘みに加え透明感が強く、舌で感じるミネラルの美味しさを伴いながら(ブルーベリー等の果実香と芝蘭花香)がトップノートとミドルノートが二層となり共存しながら30分以上も継続した。
初日の感想としては最高だった、透明感が強いのにも関わらず、強烈なトップノートに加えフルーツの香り、何より芝蘭香型の単叢らしいセッコクと水蜜香に加え伽羅の香りを感じた。これぞ良い単叢と言いたい。
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- 1グラムで300mlを楽しむことができた、1グラムだけでここまで濃くしっかりと出た茶は初めてだ。(素晴らしい耐久力)
- 焙煎は写真のように弱めの清香タイプであるのにも関わらず。香りは老欉でない濃香タイプより圧倒的に強く、香味は老欉のなかでも強烈な印象をうける。
- 普段なら15gパッケージを購入して良かったらリピートするところだが、茶葉の画像を見た時点でかなり良いことは確実であったので、高額であるため勇気が必要だったが、2020年の中国茶は天候面から大当たり年であり、コレクション価値が高いことから30g缶で購入した。
感想二回目2021-3月8日・開封後2日経過、茶葉2グラムを利用・最初に3煎を飲んだところ、香りが大人しくなってしまい茶葉が開くのが早く、独特のみずっぽさを感じ味も薄く感じられた。
- 茶葉の重量以外は全く同条件で淹れているので考えられる要因として天候が二時間前まで雨だったので浄水の効きが悪い、茶葉を一度だして観察したせいで湿気ったか?のどちらかだろう。
湯沸かしポットと蛇口からでる水を確認したら、明らかにカルキの匂いを感じた為そのお湯を冷ましたあとに再度浄水器にかけたところ、普段の状態に近くなった、3煎目から再開したところ以後は味わいが初日の状態に限りなく近くなり素晴らしいティータイムとなった。雨天だったので原水が濁った為に水道局がカルキや薬剤を増やしたため、その影響を受けてしまったようだ。このようなときは茶器や水質の影響を受けにくい草蘭香のほうが良く感じられた。
比較
2020年のHOJOの草蘭香は最初に草花を連想する香り広がり、後から突き抜けるような芝蘭花香が素晴らしく、気に入って40g缶を2回も追加で購入したが、こちらは草蘭香を超える強烈で奥深い(コク)余韻に加え、後味と解像度の高さで秀でている、高山茶らしい透明感と引き締まり感が強く、炷いて数分経過したあとの高級な伽羅を連想する香りが含まれており、感動を倍以上に増大させた。草蘭香は余韻や香りの奥行の点では、中国で今まで購入していた茶屋や他店の老欉と比べれば、それで通用するレベルだと思うが、この八仙老欉の余韻と深さを老欉としているHOJOさんからすればそれを冠さないのがわかる。草蘭香の香りもまた素晴らしくこの茶に劣っているわけではない。
草蘭香のトップノートや香りも伽羅のような香り方(伽羅立ち)をするが、香りにおいては癖があり伽羅とは違った、しかし八仙老欉の香り方では似ているが香木のような強烈さでなく、最初に出た香りの後に続くミドルノートと後に感じる香りがまるで伽羅のようだ。
個人的には最初の香りが似ているより、後から出てきて長時間も香って、香味として後味でもところが特に気に入った、香りの強さという面では伽羅には及ばないが、香味の艶やかさと品質(質感)において1g4万円以上の香木に匹敵する自然体で強く良質な香味に出会あうことができた。
2018年に度重なる香木の値上げと1g6万円以上でもなかなか気にいるような香木に出会えなくなり、香木から一度離れて中国基準の香木の基準と香味を知るために中国茶を本格的に趣味にしてから、ついに出会った香味であったので数時間も喜びに浸っていた。
コストパフォーマンス
15g2808円~(税込み)30グラム缶で購入したので、5184円グラム単価172.8円だが、1グラムでここまで味が出る茶は初めてであるということ、香味の質が極めて高いこと、HOJOの老欉でない単叢と比べて味が倍以上持つことから(価格は倍でも量を倍、飲むことができた)ことから経済的にもコストパフォーマンスは高く、HOJOの2020年のほかの老欉単株も6種類飲んだが、それらと比較しても耐久力が高く割安だと思う。
これらの指標からコスパが良いと断言するが、公式ページでも高額だと書いてあるくらいであり、購入時には勇気が必要であったがこの品質に加え味が体験できたので高額だったという概念は吹き飛んだ。茶器から使う水まで鳳凰単叢に基準を合わせて揃えれば八仙はとんでもない体験ができる。
20年の鳳凰単叢は偉大なヴィンテージであり、気に入りすぎて個別ページを作成した。
八仙 2021
香気、トップノート香りアロマは胡椒、乳香、百合、芝蘭香型の香り長生蘭の花も感じられる、口に含むと滑らかクリーミー、香味は長生蘭、百合の花香、後味と味わいに蜂蜜を連想する甘みが強く、味が非常に良い。継続時間も長い、余韻は後から来るタイプで完備している。
感想 甘みの強い美味しい八仙
味わいにおける甘みが強く、茶園型でなく灌木型でしか味わえない深さが良い、芝蘭花香に加え乳香などのアロマを持ち鳳凰単叢烏龍茶としては素晴らしい出来である、15g1400円からともともと安価であり適価であり、鳳凰単叢としての出来は素晴らしいので鳳凰単叢に馴染みの無い友人にも是非紹介したいお茶、蘭のような香りが芝蘭香らしさ、乳香やどことなく感じるフルーツの香味が八仙らしさ双方を持っている。八仙という観点でこちらは芝蘭香の雰囲気が強く、八仙の香りの複雑さ良さを持ちつつ、花香の強い芝蘭香の良品として飲むと素晴らしい。更に気品と繊細さを追求したい場合老欉を推奨
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更新履歴 2022年9月16日 2021年を追加
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