武夷岩茶の中でも特に高値で取引される肉桂、それが世界遺産風景区内にある五ケ所の名産地のひとつである三坑両澗を代表する牛欄坑(ぎゅうらんくん)その名称を冠する牛欄坑肉桂こと約して牛肉であると言える。現地ではありふれた名称だが、おそらくもっとも権威ある銘柄であり岩茶の中でも特に高額で取引される。その産地面積の狭さから実際に産出する茶葉原料の何百、何千倍、何万倍という流通量を誇り、牛欄坑産の肉桂を使用した肉桂が非常に珍しいことは、岩茶を売る茶商も中国の武夷岩茶愛好家なら暗黙の了解として皆承知している、しかし、極々一部に本物が存在すること、牛肉という名称が覚えやすいこと、それらの話題性の高さと稀に出てくる強烈な味を求めて(我こそ本物を飲んだ、我こそ、俺は!)と真(まこと)の味を求めて、マニアや超富裕層が入手している茶であり、現在も進行中で知名度は上がり続け、さらに肉桂自体の人気が近年上昇中であり青天井に価格も上昇中。
そんな私も話題を業者価格で買う為に一年前から予約した。
特に高額で取引される岩茶
相場は500g8000元程度から数万元であり、母樹やコンテスト物などを除く、武夷岩茶として最も高額な価格で取引されている。
向こうでの業務最低価格が斤8000元程度でもホンモノ?であろうか?の下限値?それでもマニア達や業者間で話をしている限り斤万以下は論外という風潮すら感じる。
牛首や牛欉とされる、牛欄坑肉桂のなかでも最高級品は中国においての小売価格は8-9グラムにて日本円で35000-45000円が多い。1グラム5000−6000円は当たり前である。(為替1元20円の場合)
牛欄坑肉桂
2020
発売と同時に数日で完売する牛欄坑肉桂こと牛肉、2020年は買いそびれたので今年は業者価格で買うため事前予約をした。茶葉2.5g この茶は岩茶としては高級な部類に入るので武夷山流の洗茶なしで飲んだ。
一煎目 口に含むフルボディ、まだ焙煎してから日が浅いの軽く焙煎香を感じる、炭の味を感じたが喉越しの良さは爽快だ。
二~五煎目
キレのある甘味と肉桂花香が柔らか香る。
六~10煎目
焙煎香が弱まり、ハッカやミントを連想する強いハーブ感と後味ではドライフルーツを感じ、何とも飲み応えのある肉桂だ。
- 茶杯からのアロマはトップ・ノートも感じるユリや蓮の花の香と新鮮なライチやリンゴを連想する、要するにこの品種らしい肉桂花香だ、口に含むとフルボディで、香味にはパッションフルーツと炭の味が交じりあう、正直に書くと味は濃くてよくわからない、余韻は肩の後ろを走り岩茶の肉桂としてはやや強い部類に入る、この茶は後味が素晴らしい、焙煎の香り共に肉桂独特のシナモンフレーバーとラズベリーや木イチゴなどベリーとドライフルーツ連想する、乾いたフルーツと言える後味が15分も持続した。
感想としては穏やかなミネラル香がぼんやりと香り、特大フルボディであることから、三坑両澗の原料と日陰栽培の正岩茶と認識した。焦げてはないが強めの焙煎香と乾燥したフルーツ香が共存しつつ、強烈な飲み応えのある正岩茶だ。やや強めで焙煎がしっかり入った牛肉の強さ、後味の濃厚で飲み心地の強烈さを出す為には理解できる。
個人的には細かく指定をしなければ三坑両澗産の肉桂茶ならば現実的な値段の卸値で入手できる為、岩茶を代表する渾沌(カオス)銘柄である牛肉に固着する理由はないが、この茶は値段相応の飲み応えと余韻を持った岩茶だ、この穏やかな岩骨花香は三坑両澗産の肉桂らしい雰囲気を持っている、さらに上手に焙煎され表現された焙煎香は素晴らしい。産地の真贋鑑定は三坑両澗産の肉桂茶らしい口感と岩骨花香に味を大いに持った高品質岩茶であるとまでにしておきます。
追記 2022-10月7日
上記の記事を書いてから様々な三坑両澗産の岩茶に触れたが、上記の牛肉は趣味で集めたものだが、コスパが大変良かったと感じる、最近は5g単価が2000-6000円ほどの岩茶における肉桂を何種類も体験して、最近に試飲した泉石斤趣牛欉肉桂は価格が9g43560円であった。詳しい人間同士で私が19年に調達した、当店における同じ武夷山三坑両澗産の悟源澗肉桂(5g1550円)と比較すれば、この牛肉はそれなりに優れているのだが、岩骨花香や余韻などから見れば、原材料における純粋な質面では僅かな差でありながらも、愛好家にとっては大きな差である。
情報
牛欄坑肉桂 日本語読み ぎゅうらんくんにくけい 中国語表記 牛栏坑肉桂 (Niu lan keng rougui)
樹齢30−40年 老樹肉桂域 名岩産区三坑両澗産肉桂 焙煎の強さ(伝統型炭焙足火)
2023年産 輸入は2024年3月
価格 5グラム5780円~
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2021牛欄坑肉桂 中火
焙煎は中火ながら4回火入れをした濃香型、近年の牛肉は焙煎を浅くする場合が多い、アロマは岩茶らしい、ミネラル香と洋梨や青リンゴを連想するリッチなフルーツの香り、口に含むと三坑両澗らしい、大きなフルボディでありつつ、透明感を感じ、香味では武夷肉桂らしいキレのあるフルーティな香味がしっかりと感じられる、余韻も武夷肉桂として強いほうだ。
5g5480円だが、三坑両澗産の肉桂として中国では普通であり、やや安価な値段である。2021年はゼロコロナ政策により、現地での岩茶の売れ行きが前代未聞に悪く、特別に入手できた商品。さまざまな三坑両澗の肉桂を飲んできたが、この価格と品質ならば適性価格かコスパが良く、上の記事で出した2020年産よりも品質は高く、ここまでの品質ならば間違いなく本物と言えるだろう。趣味の方に紹介したい製品。
中火濃香型の高級肉桂では、小牛肉とも称される水廉洞右上岩走馬楼肉桂、馬頭岩肉桂の上位品である猫耳石肉桂や悟源澗肉桂など牛肉と比較対象にされる高級名岩産区の肉桂と飲み比べると面白いですね。
2023年 炭焙軽中火 5グラム5780円2023牛欄坑肉桂 軽中火
当製品の取り扱い経緯
こちらの製品は付き合いのある生産者が、牛欄坑の畑所有者から事前に値段をきめてから、茶摘みを行い、生茶葉から焙煎、輸出に至るまで部外者を一切入れずに、武夷山岩茶村内の工房にて完全一貫製茶した信頼性の高い製品、しかしながら、余韻の面では当店の既発製品たる受賞物の金賞肉桂、灌木型老樹肉桂各種など品質一辺倒の製品には及ばないが、余韻もしかりと保有しており、信頼性の高さ、この商品ページは当店でもっとも検索流入からアクセス数のあることや、岩茶専門店として牛欄坑肉桂を販売することは重要であるため取り扱いに至る。
店主のテイスティング記録
お湯を注ぐとドライフルーツの香りが漂う、香アロマ、胡椒や晴れの日に香る花香を連想するトップノートを保有、花梨やアンズ、肉桂らしいシナモンの品種香が鋭く香る、口に含むとフルボディであり、超高級岩茶特有のキレを持ちつつ、引き締まった口当たり、香味では肉桂らしい金木犀や高級岩茶らしい、刺激的な味わいが長く残る、余韻の長さは、さすがの牛肉であり、鋭く刺激的だ。
従業員から余韻や口感などが、この牛欄坑肉桂よりも安価な走馬楼老樹肉桂など当店の高級肉桂よりも弱いことから、取り扱いを反対されたが、店主は試飲を繰り返して、この製品の味の良さに感嘆している、武夷岩茶正岩肉桂の代表であり、中国茶トップクラスの高額な高級品として地位を確立するだけの香りの良さ、味わいの良さを持っているからであり、品質の高さ=愛好家からの人気ではないことは、この牛肉の刺激的な味わいから、納得できた。
老樹肉桂でもないのに、これだけの余韻と味わいが出るのは間違いなく、牛欄坑という権威的産地のおかげであると考えた。
牛欄坑肉桂は武夷岩茶のなかでもトップ3に入る高額製品であり、完成品では古井老欉に抜かれつつあるが、生茶葉の価格から非常に高額な製品であるため、生茶葉から一貫生産を行い、コストを大幅に削減しても、他商品なら相当安くできるが、牛欄坑肉桂のため同クラス肉桂よりも3倍程度の価格となります、中国茶は品質=余韻で値段が決まる製品ですが岩茶は場所で値段が決まるという唯一無二の特徴であり、これは基本的に中国のなかでは武夷岩茶特有の現象です。
当店としては品質と値段を一致させるよう調整に努めたいと考えており、牛欄坑肉桂と同等等価とされる走馬楼肉桂しかも品評会上位2%入賞の価格は年内に当製品と近い水準に調整されますが、お買い得感のある高級な老樹肉桂を24年夏から充当してまいります。
販売ページはこちら
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更新 2022年5月1日 価格情報を追加
2023年月2月1日 内容の修正と価格情報の補正をしました。
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