肉桂(にっけい)は武夷岩茶の代表的な品種であり、岩茶以外の同名品種と区別して武夷肉桂とも。このページは肉桂のトップページ
馬頭岩肉桂
風景区馬頭岩周辺で採集された正岩茶肉桂・馬頭岩肉桂こと、約して馬肉を焙煎や出荷時期そして淹れ方の違いによる味わいを鑑賞する、名前は同じでもメーカー・ロット・製茶法の違いにより、味わいは異なる物である。この馬肉であっても様々なタイプがある。
特徴と種類
この茶は世界遺産武夷山の風景区内・馬頭岩地区とその周辺で採集された肉桂を馬頭岩村において製茶された肉桂茶であるとされる、栽培環境によって異なるのだが基本的に樹齢が高いほど味わいが深くなり品質は良くなる。
- 単純に馬肉と訳す場合があります。
- 馬は馬頭岩(風景区内の産地)の名称 肉は肉桂(岩茶の茶樹の品種)の意味
- 馬肉というカテゴリの茶の中にも、様々な種類と品質と値段の高低が存在する。
産地と名称の特徴
- 特に明確な決まりはない
- 武夷山馬頭岩茶村で製茶された肉桂茶
- 風景区内の馬頭岩周辺で採集された肉桂を使った肉桂茶
- 更に細分化して猫耳石肉桂・三花峰肉桂・桃樹窠肉桂などと分けることがある。
武夷岩茶の肉桂についてはこちら

焙煎における特徴と種類
- 焙煎はやや軽めに仕立てる場合が多い
- 炭焙具合により軽火・中火・稀に足火(焙煎強め)
- 武夷山の肉桂茶では強めに焙煎される牛欄坑肉桂と比較されることが多い。
性質や茶葉
- 安価な物は機械摘み、高級品は手摘み
- 茶葉は整っていて綺麗なほど良い
- 総じてフルボディ
- 淹れ方や出し方による影響を受けにくい
- 茶器や水質の影響を受けにくい
品質と価格
- 品質はピンキリ・二番茶や三番茶や半岩を混ぜたもの、実際には馬頭岩産でないものが多く流通
- 相場は全般的に風景区の肉桂茶としては安価な部類に入る。
- 中国における価格はおおよそ500g2000~15000元 1元20円の日本円換算 500g4~30万円
- 50g4000円~30000円ほど
- 樹齢が高いほど余韻が強くなるので値段も高額になる。
馬肉とその仲間
- 岩茶全般に言えることは、非常に細かい茶の産地を試飲で判別することはプロでも難しい、風景区の少ない耕作面積から採集された岩茶を正岩茶と見なして、それらの美味しさの特徴を掴み、飲み手が追及していくのが福建省における岩茶の愛好家のスタイルだ。
- 馬肉は流通量が比較的多く、愛好家からありふれた名前となってしまい飽きられてきている、そこでさらに馬頭岩肉桂を細分化する気運がみられる。
- すなわち馬頭岩肉桂の範囲の中から極小畑産の名称が付与され、さらにプレミアムが付く、猫耳石肉桂(猫児岩肉桂)や三花峰肉桂・桃樹窠肉桂などがそれにあたるが、馬肉よりも畑の面積が狭ため、現地の値段は馬肉より高額な傾向であり、特にここ数年において知名度が上昇している桃樹窠肉桂は500g15000~元ほどの値段がついており非常に高価な岩茶である。
- 希少性やプレミアムな名称がつくことにより、非常に高額な価格で販売できるという事実は岩茶に限らず、中国茶全般の共通事項である。もちろん馬頭岩肉桂も実際の生産量とは比較にならないほど流通量がある。

馬肉の販売について
販売中の年号 中火 2019 2020 2021 軽火 2022
焙煎 軽火/中火/中火濃香
樹齢 無印/特級30年超 極品40年超 春一番茶のみ
極品馬頭岩肉桂(老樹馬頭岩肉桂)
極品馬頭岩肉桂は馬頭岩茶区の奥に位置する、悟源澗産の肉桂を原料としており、樹齢30年以上平均40年の肉桂を使用。肉桂としては初期に植えられた肉桂種を中度焙煎以下で仕上げた高級花果香肉桂です。伝統型の焙煎でない現代焙煎の悟源澗肉桂を馬頭岩茶村ではその下流域にあたり、一体産地とされる馬頭岩を冠して高級品の馬頭岩肉桂として出荷する習慣がある為、馬頭岩肉桂すなわち、馬肉は歴史的には三坑両澗のひとつであり、クリュとしては最高の評価を受けているのだが、悟源澗の知名度の低かったため、当時は売れ行きがわるかったという、そんな悟源澗肉桂を焙煎の工夫と馬肉と覚えやすい名称に変え、知名度の上昇により味わいも再評価され、牛欄坑肉桂(牛肉)と名実ともに並ぶという評価を確立させました。
御茶荘の微店価格1斤500g9600元(1元20円換算で5g1920円)となっており、お買い得な価格設定となっております。中国では直近の法律改正にて極品や特別などの表記ができなくなりましたが、本邦向けなので表記を続行します、中国御茶荘では法律の問題から老樹や花果実香などを冠するように。(等サイトは日本国内にサーバーがあります)2023年1月現在
2022 花果香中火 5グラム1380円
2021 中火 5グラム1380円
2019 中火濃香 5グラム1380円 (直接取引割引有)
販売ページはこちら

直接取引価格販売ページは下記から
2022年 花果香型清火(極品)馬頭岩肉桂
香り(アロマ)は強いミネラル香に胡椒、百合の花などを連想する花香と肉桂種特有のシナモン、パイナップルや蜜柑を連想するドライフルーツの香り、口に含むと岩茶最大の大きなフルボディ、舌触りは滑らか、香味は肉桂種らしいシナモンに、アロマ同様の花香とドライフルーツが強く感じられる、余韻も肉桂としては強めで茶葉の良さが滲みでている。完璧な三坑両澗独特の良さ、余韻も肉桂としては強い。

個性強調の軽焙煎仕様
2022年は品種の個性が強く出ており、品種の個性を強調するために炭焙煎を軽く抑えた仕様、三坑両澗産岩茶だけが持つ最高峰のボディとミネラル香(岩骨花香)と茶葉の良さを体験することができる。焙煎が軽いため、他の馬頭岩肉桂と異なり、淹れる際の水質や茶器そして室温や湿度の影響を大きく受ける為、やや上級者向けとなっています。販売元の価格が茶葉品質と製茶技術の大幅上昇により、3年で倍に値上がりした影響や為替の影響で価格を改定しました。
表記は(年号)(焙煎具合)・その下に出荷時期・焙煎の回数
共通事項 春一番茶・産地は風景区馬頭岩または悟源澗周辺・焙煎は全て炭焙
馬頭岩周辺で採集された原料を使用しても樹齢の若い原料の場合は余韻が弱い為、樹齢25-30年以上の物を馬肉として販売している。
価格5グラム 1380円(ネットショップ)
岩茶のコラムはこちら
茶の記録 馬頭岩肉桂
下記は(2019中火無印を除いて販売している物とは異なります)
ここで紹介している馬肉は武夷山出身の店主が経営する上海の武夷岩茶専門店御茶荘の物・馬頭岩に茶園を所有し親戚たちと共に馬頭岩茶村で製茶を行っており、親戚一同で世界遺産風景区内の茶園を多く所有して岩茶関連の業務を行っている歴史ある岩茶一家の系列店、店主は武夷山馬頭岩茶村と上海を往復しており、武夷山側では世界遺産登録時に風景区内の住居から退去した人が住むニュータウンに住居を構えている。そんな事情から馬頭岩村産の岩茶を大得意としており、親戚パワーとその専門性で偽物の混入を許さない。
岩茶の中ではよく出てくる岩茶の高級品・・・中国における一説では(馬頭岩肉桂)すなわち馬肉という略称が覚えやすく人気が出たのだという。
私には名前だけで人気が出たとは思えない、手に取った人に馴染みやすいその味(わかりやすい味と香り)それがこの茶の特徴であると思う。
2020 馬肉/中火
7月・焙煎二回

安定しており年号による差は少ないのが特徴だが、今年の馬肉はトップノートが素晴らしく、19年より茶液の密度が濃く感じられた、個人的には水仙や名叢の出来が今年は特に素晴らしいのでそちらを多数購入した。焙煎の強いバージョンや今後年末や来年にかけて発売されるロットが楽しみだ。
2019 軽火
馬頭岩肉桂とは一般的には中火焙煎に仕立てる場合が多いようだが、こちらは原料の良さを生かした軽火


焙煎は中火よりも浅く、正岩茶の強い岩骨花香!香りが淡くても大満足のどこか重たい香りと肉桂のスパイシーでふわっとした、青々とした美味しさと柔らかくても

正岩茶の重たい口感(フルボディ)の美味しさが、肉桂の軽く優しくも、深い深い味わいとなっても長く続く、フフフ💛タイプ

焙煎は軽いのにも関わらず、ねっとり鼻に張り付くスパイシーシナモンの香りが、反則レベルで良い、味はまるで黄金糖やキャンディのようだ、特大ボディとキャンディのような甘さが口に長く残り体感もしっかりある。

2019 中火(無印)
8月(お盆前後)出荷・二回

茶壷でも蓋碗であっても、華やかな香りと濃厚なボディ、飲んだら口感が大きいだけで味はスカスカではなく、余韻もしっかりあり、濃厚で美味しさが圧縮されている。飲んだ後に肉桂種特有の香りが口腔内でしっかりと残り長く続く。冷ましながら飲んでも渋くはならず、冷めた後の美味しさは特に良い。
- 適したカップテスト
2020-1-13日 ・馬肉・中火2019
デミタスカップ(マイセン・ロイコペ)ボディを体感しやすい、滑らかさが強く口当たり柔らかい。
(茶杯)キレのある味わい、甘さ強いと岩韻明瞭になる=両方(後味長く甘さが残る) 両方とも美味しいため、あまり気にしなくて良い。
- 茶壺か蓋碗どちらが適しているか?
写真の茶壺(宜興朱泥) 茶葉2.5g (ブリタ浄水・熱湯)
- 味わいの濃さ、後味の強さ、武夷肉桂で感じる独特の美味しさは明確かつ強くなり、驚く、当初は蓋碗のほうが煎を長く持続させれて良いと思っていた。
- しかしながら私の茶壺を使う技量が悪かった。抽出時間を調整することで茶葉の質が良いので蓋碗より多くの茶液を抽出できるので個人的には蓋碗より茶壺のほうが適している思う。
- 水質の影響をどれほど受けるか
写真の茶壺(宜興朱泥) 茶葉2.5g (水道水・熱湯)
水道水をそのまま沸かしただけ(浄水器なし)
蓋碗で淹れた場合は変化はあるがそれぞれ美味しさがある。水道水をそのままだと淹れた場合において蓋碗より茶壺はやや茶のパワーが落ちてしまった。この状態でもかなりハイレベルだが、浄化水のほうが良い。➡蓋碗の場合は水道水を沸かすだけでもかなり美味しいため水質に合わせて選ぶ必要がありそうだ。
- 基本的に馬頭岩肉桂は水質の影響に強い
国内の旅行先や友人宅に持ち込みその場の水道水を沸かして飲む場合、素晴らしい味を安定して出てくる、単叢のように水質の影響が直撃して外出先で思った味を出せないという経験は今のところない。
- 情報
販売 御茶荘 中国福建省武夷山市 店は上海大寧国際茶城二階
名称 馬頭岩肉桂 まとうがんにっけい Mǎtóu yán ròuguì
焙煎 伝統式炭焙 (中火)
価格 500g4000-4500元
2018 中火(無印)
3月・焙煎三回
丸二年放置した馬肉を飲んだそのときは香りも味も薄く感じたため、空気に2日ほど晒してから飲んだ、2日してからの陳茶の馬肉の味わいは素晴らしかった。肉桂の鋭い香気は柔らかくなり、中火の馬頭岩肉桂としては、柔らかく香っている、しかし、飲んだ際の後味の濃さが逸絶だ。
口の中に残るフルーツの香り、その時間の長さは半端じゃない、茶液の密度が緻密であり、これを伴いなんとも言えない美味しさ(わたあめ、キャンディー)のような雰囲気もある、余韻も岩茶にしては強くまた良い、中火の馬肉は温度が熱い状態ではなく、やや冷めてからの美味しさが特に良いのだが、、これは馬肉の全般的な潜在的パワーだと感じた。収斂性を感じるが、苦味渋みの無い強くスパイシーでビリビリ(悪い意味でない)とした美味しさが、陳年馬肉の美味しさプーアル茶のように後から生津した。


分かりやすい味とは?岩茶における肉桂の味わいなのだが焙煎の強い岩茶とは一線を画す味わいでもある。水色は基本的に黄色であり、濃く淹れると茶色となる、岩茶は焙煎の火加減により味わいが変化する茶なのだが、この程度の焙煎具合は(中火)と呼んでいる、この加減は武夷岩茶にしては焙煎は弱めの部類に入る。焙煎の強い岩茶には存在しない、独特の(優しさ)と(ふくよか)で初心者から上級者まで満足できる味わいが、そして冷めたときの特別な美味しさが特徴的だ。
ちなみに中国において、この茶の味わいをこんな感じで表現するようだ。(馬頭岩肉桂辛鋭的桂皮香気和醇滑甘潤的口感)口当たりの良いフルボディにキレのあるシナモンの香りと豊かでふくよかな甘い味わいの武夷岩茶

関連ページ
武夷肉桂について
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更新履歴
2022年5月1日 価格情報と為替レートを現在の価格に調整 一部内容を追加
コメント
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