真那賀と真那伽(まなか)は同じ意味と読み方、表記は少々違えど同じ意味と香りを持つ沈香の一種類、その独特な気品ある芳香や柔らかく奥深い香りなどから(匂いかろく艶なり)等とたとえられる。そんな真那賀について香木マニアによる完全解剖、このブログ内における表記は真那伽を優先しております。
木所としての観察
日本古来からの香りといわれ
伝統的な区別法(香道)では基本的には流派を問わずして、真那伽を(匂いかろく艶なり)と表現して、上質な物を(早く香の薄れるものを上品とす)と表現するようだ。
- 真那伽の匂いかろく艶なりは、真那伽として聞かれる香木群を鑑賞していると、出香した瞬間、キラキラと華やかに香りが奏でられ艶やかな傾向を観察できます。(別名・伽羅立ち)
次に(早く香の薄れるものを上品とす)や(女の打ちうらみたるが如し)という、意味不明な香りのたとえはあまりにも有名です。
- ある程度は香木を知ると上記の内容は(早く香りが失せる香木)は(若い女性ように気まぐれで安定しない香木)と取れる内容ですが、私が鑑賞してきた真那伽や歴史的な香木を見る限りこれは異なる場合もあります。
(早く香の薄れるものを上品とす)は、華やかに立って(伽羅立ち)からある程度で安定して(伽羅立ちが終わり) 長く香りが持続する傾向を表していると思われます。
- 真那伽は香道で正式に使われる名香や銘香における位は基本的に高く、位が高いことは香味も安定しているという意味合いであることから、うかがえます。
(女の打ちうらみたるが如し)は最初から最後まで香りが良いが香味が変化することを表していると考えています
- 要するにカワ(・∀・)イイ!!女の子はコロコロ可愛く変わるwwwだよん、みたいな鎌倉時代における雅な?意味が込められているのかもしれません。
産地のいわれ
- 真那伽は範囲が広い木所であるが、 日本古来から言い伝えによれば、産地はマラッカとされている。言い伝え=産地は必ずしも一致しないが、高品質な物は伽羅と同じくベトナム産であり、一般品や中級以下の物は実際の産地は言い伝えに同じくマラッカ(マレーシアの都市やマレーシア地域)・ボルネオ島あると考えています。
香味の解析
真那伽における最大の特徴としてとらえている特徴は、香味における鹹と独特の余韻・香味の完成度・香気の柔らかさ・そして伽羅のような強烈な香り出さないこと。
- 香味の共通要素は無味と鹹
- 持続性は高低差があり、最初の伽羅立ちからの香味が落ちつき、香味は長く継続する。
- その味が無い事こそが最大の魅力
- 強烈で鼻の感覚を麻痺させる伽羅と比較して優しく、味わい深い。
- 無味すなわち→甘苦辛酸鹹の五つの香味が、バランス良く出てくる様子そして感じられない完成度の高さ=(無味)
真那賀・真那伽の表記の違い
現状では真那賀の表記を使う場合が多い、単なる漢字における表現の違いで同じ物を指すと断言しつつ、この表記法の違いには、歴史的経緯やその木所を冠する香木の特徴を見ていくうちに、ブログ主の考えにおいては、沈香であるの物を真那賀、伽羅の一種である物を真那伽と表記していたが、基本的に秘密の香道の世界において伝わりきらず、いつの日かあやふやになったのではないか?と考えている。
- 要は五味に通じるという意味であり、伽羅においても最高の誉め言葉
- 鹹さとは真南蛮における俗に言う(汗の匂い)をはじめとする不快な鹹さでなく、気品と出香時の伽羅立ちの良さを感じる。上質な木における(無味)とされる香りは香味の完成度に加えて余韻の強さであり、飽きが来ず、伽羅と比較すると出香時には強く、安定すると奥深く優しいため、私が好んで聞く香木である。
真南蛮のページはこちら
品質の上下と決定要因 (ほかの沈香と同じ)
- 流派タイプの場合はその筋と見本木の香味や位にどれほど近いか
- 香味の出現の順序
- 香味の完成度と聞香中における香味の強弱の変動(位)
- 香りの余韻の強さ
- 木質の油分の量と形状
- 渡来時期と油分と樹脂の沈着具合
木質の観察
- 沈水香木の真那伽はいわゆる普通の沈香からやや硬めの伽羅かと思うような物まで多彩
- 高品質な物は主にシャム沈香から選ばれていると木目や香味から考えられる。
- 沈香の真那賀の特徴は見た目において、黄色~薄茶・薄緑茶、光の加減で赤や紅色に見える場合がある。歴史的な個体では賀と表記されている場合がある。
聞香日記 真那伽
- 真那賀 依姫(SE127M)
出香・甘さが飛び出す、鹹味が強く、伽羅の香りに気の強そうな女性のような鹹ゆい、香りが覆いかぶり伽羅の味が奥に追いやられている、後から高感度の甘鹹となった。
二回目 最初に強い甘さが香る、次に辛味混じりの鹹さが続く後から鹹さを伴う甘さで落ち着き長く香った。 伽羅立ちからの、辛さを伴う鹹が特徴的、香味は安定しており、とても高級感はある。
- 真那伽 SE72 五十鈴川 アニシ
- 濡れ烏のような黒く艶やかな輝きと繊細な木目の美しさに、上位の伽羅に匹敵する香りを持つ最高級沈香それがこの五十鈴川、沈香の優しさと深い余韻、伽羅と対照的かつ同等な特別な香りを聞くことができる。私は伽羅こそ最高級の香木かと思っていたが、この沈水香木に出会い、沈香の価値を見直した香木。ある時この香木を最高の真那伽と師匠の一人に言われた、以後は木所を言わず黙って使うと香道に詳しい友人や専門家から真那伽、すごい真那伽と言われ続ける。個人嗜好においてこの個体以上の香りを持つ沈香に出会えていない。
- 真那伽 その2 (SE131M) アニシ 銘 織姫
- 我が家伝統の最高峰沈香の真那賀 外観は黒油伽羅のような見た目。電子こうろで最低温度でも煙が出てしまう。研ぎ澄まされた伽羅を上回る強い甘みが飛び出した、ぶっ飛んだあと、香りは薄くなり、一定のまま長時間継続、0.01gで90分継続 たきかいし後も香りは落ちず👍透明感が半端じゃない、甘味の余韻の長さは普通ではない。
- 真那伽 肌色~白
- 伽羅のマナカで見た目は肌色~白い、女性の肌色みたいな色合い、お店の人によると伽羅にしては香気が弱いのでマナカとして販売しているとのこと、分かりやすい木所でたいへん興味深い、
- 出香、最初にスモ系の酸味が拡散しながら伽羅らしい苦味が(はんなり)優しく続く、途中から柔らかい酸味が上がってくる、そして伽羅らしい桐のような甘さ、次に乳香としか思えない甘さが長く続いた。
- 強火だと最初に強烈に香って、香りが、しなっと落ちて、甘さが長く続いた。柔らかさと甘さは素晴らしい、女性や赤ん坊のような甘さや柔らかい香り、若い女の子の香りとでも言うかのような甘く柔らかく、このまろやかさに細くても、余韻の強さが素晴らしい香木。
香りの早く失せる、、女
- マナカらしい特徴と女性的な柔らかさを表現しているマナカで、鹹さはほぼ感じられないため、優しい。最初にから最後まで体感は伽羅として香っており、香木としは伽羅であった。しかし、伽羅の格高さとマナカの優しさと甘さを持っており、伽羅×マナカ÷1.8みたいだった。マナカらしい、伽羅らしいを重視すれば、変なやつになり香道の木所としてビミョーとなる、特にお堅い流派の香道のように木所を厳格分類されると。ダメな香木となりそう、しかし香木としての良さはマニア的には伽羅とマナカの良いとこ取りとして感じられて究極、、値段が1グラム3万円と高額であるが、本当に素晴らしい香木であり、伽羅から格下げされたというには情けなさすぎる。
PRお勧めの沈香 刻みシャムは普段にお勧め
- 関連記事
伽羅と沈香の違い
伽羅の香り その特徴と選び方
六国トップへ
香木カテゴリートップへ
2021-2-3 この記事がなかなか検索インデックスされず、重複コンテンツになってしまったと考えれるのでほかの記事の検索順位を上げる為に不本意ながら一部の内容を削除しました。この記事が検索で現れ順位が安定した際に再度追加いたします。
2022年3月22日 内容の更新とリンクの編集
コメント
[…] […]
[…] 総じて佐曾羅・寸聞多羅は値段が低くなりがち・羅国・真那伽は高値傾向 […]