
2025年 金駿眉の状況について
2025年3月末、武夷山の桐木関や浙江省の安吉といった銘茶の産地を、季節外れの降雪が襲いました。この時期の降雪は、現地で50年以上茶づくりに携わる生産者ですら経験したことのない異常気象で、特に新茶シーズン直前だったため、多くの生産者が収穫への深刻な悪影響を懸念されました。
実際、雪は茶葉の生育に大打撃を与え、多くの新芽が損なわれました。しかし、奇跡はその後に訪れ。厳しい寒波を生き延びた新芽や、その後に芽吹いた茶葉から作られた高級中国茶は、まさに前例のない出来栄えに。透き通るような旨味と驚くほどの余韻、そして高級武夷岩茶のような滑らかな口当たりと、濃密なミネラル感を持つ味わいが生産者と専門家から絶賛されおります。通常では味わえない、独特で希少な香りも相まって、“神雪”がもたらした奇跡のヴィンテージと評されています。
その流れを受けて注目されたのが、桐木金駿眉です。2025年は雪による恩恵を受けて出来が良いと期待されましたが、高騰する人件費の影響により、製造コストが非常に高く、価格面では割高感が指摘される場面もありました。また、桐木産の紅茶には独特の渋味・苦味を持つものが多く、万人受けしにくいという評価も根強くありました。
さらに、2023年から2025年にかけては、龍井茶や荒野老欉単株紅茶といった「長葉型・大葉系の超高級茶」が人気を集め、金駿眉のような細葉紅茶には逆風となっていました。コストパフォーマンス重視の傾向が強まる中、高価格帯の茶葉はやや人気が低迷していたのです。
しかし、2025年の“神雪”によって、桐木紅茶はその評価を一変させました。生育環境に恵まれ、丁寧に作られた金駿眉は、従来の渋味や苦味を上品に昇華させ、まるで野生紅茶「妃子笑」や「銀駿眉」といった最高級茶にも劣らぬ芳香と深い味わいを見せています。この希少なビンテージは、中国各地の高級茶屋でも評判を呼び、人気が再燃。価格以上の価値を見出す茶人たちによって、いま再び脚光を浴びています。
異常気象がもたらした“逆転の一杯”。その背景にある自然のドラマと、職人たちの飽くなき探究心が、この春の茶葉に奇跡をもたらしました。
桐木野生金駿眉の茶摘み
2025年産桐木金駿眉 固有の特異な見た目について
例年、桐木関産の金駿眉は鼠色がかかった感じで黒っぽく、金駿眉の名前から想像される金色とは異なる見た目を有しており、金色でない物が本物の桐木金駿眉などと言われます。
金色の金駿眉は通常はバイヤーから桐木関以外で作られた製品の証であるとされ、偽物とされますが、2025年のみ状況が異なり、桐木村産の金駿眉は降雪の影響からなぜか金色が強く出現しており、一目でわかる桐木金駿眉2025年産ヴィンテージの最大の特徴となりました。

2024年産 桐木金駿眉の見た目 例年どおり黒っぽい

2025年産 桐木花香老樹金駿眉 桐木村七里橋産 雪の影響から偽物と誤解されそうなくらいの金色の輝きを持って誕生した。

桐木花香老樹金駿眉 桐木村七里橋産2024年と2025年、ヴィンテージ違いで全く同じ畑の製品画像を比べるとその色合いの違いは一目瞭然となっている。
金駿眉の茶摘み 桐木村桐木関
2025年の金駿眉の出来は、香り、味わい、耐久力、特別な見た目、そして通常は黒っぽい見た目を有する桐木金駿眉も天候由来から、なぜか金色に輝く見た目となり、2005年の誕生以来過去最高であると、桐木村の生産者は口をそろえて話す、記録に残る年となった。
店主自身も金駿眉のイメージをひっくり返した抜きん出た出来を実感しており、このような特殊事情から当店では、2025年と同品質の桐木金駿眉を来年以降、最高級品の桐木野生単芽紅茶紅茶金駿眉3グラム5800円~を除いて、供給できる見込みが無いと判断しており、会員さまへ金駿眉製品の試飲配布を終了することになりました。
2025年の特殊状況から2026年の金駿眉は樹齢の高い高級品は予約販売専用となり、一般販売は2025年の製品を販売続行として、26年産は1種類のみまたは不発売といたします。
桐木花香老樹金駿眉 2025 5グラム2100円~
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