タニ沈香 インドネシア周辺の香木一覧と観察 | 茶の穂

タニ沈香 インドネシア周辺の香木一覧と観察

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タニ沈香とは?

インドネシア及びその周辺国(ブルネイ・マレーシア・パプアニューギニアなど)から採集される香木のうち沈香のことで、単純にタニ沈香のことを(タニ・インドネシア)と呼ぶこともあります。漢字では太尼沈香と表記されます。

主要な産出国がインドネシアである為にインドネシアとも呼ばれますが、ジャワ沈香とも呼ばれるようです。等サイトではタニ沈香の表記を採用しています。

タニ沈香の歴史・現状

採掘の歴史がシャム沈香と比べると浅く、採集範囲がとても広いため、良質な物が日本に入ってきています。

これらを安物に思ってはいませんか?

タニ沈香であっても伽羅並みの強烈な香りを出す物、希少すぎて表に出ないような1グラム数万円の個体は市場にはザラにあります。香木という特性から一概に細かくカテゴリを区別したりするのは困難ですが、おおまかにベトナム系とインドネシア系すなわち(シャム沈香とタニ沈香)の区別はお店や問屋では普通に行われており香木の世界では一般的なこと言えます。

沈香の加工品として利用される沈香は特に表記がなければ基本的にタニ沈香

再生産の難しいという性質から基本的に枯渇したら終わり。そして産出地域における物価の高騰や森林破壊などの問題により、現在の採集品よりも日本に輸入されていたタニ沈香は古いほど、品質が高い傾向があります。そしてシャム沈香と違い、タニ沈香は現在でも天然物が主流であることはとても重要なことです。

特有の匂い

  • 特有の香りが鼻に会わずタニ沈香が臭いと思った方は、タニ沈香の一種であるスマトラ沈香を試すことをおすすめします。趣味のある方は店頭価格にて1g三千円以上の高級品を手に入れましょう。
  • タニ沈香の臭みは逆に言えば薬効成分でもあり、空薫の時は変わって香ります。

タニ沈香(インドネシア沈香)の香りは?

  • 苦い香り、強く甘い
  • 酸味が強いとか一般的には表現される香り
  • 香りは香木という特性上は多種多様です。タニ沈香インドネシア沈香はそれでも共通の香りと見た目なので区別が容易です。
  • 個人的には独特の酸味だと思っております。
さまざまな見た目のインドネシア沈香

タニ沈香の種類

香木の区別や種類全般に言えることですが、原木1つ1つが香りが異なる物なので、同じタイプやロットならば、おおよそ同じかもしれませんが、例外例外、珍品・など変わった香りに出会うことは多いです。

  • 古渡タニ・古渡インドネシア

インドネシアの沈香は産地(島の名前)(状態)(輸入された時期)などで多彩に区別されます。

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産地別に鑑賞する太尼沈香

スマトラ・スマトラ沈香 (Sumatra)

スマトラ島で産する沈香はつい2015年ごろに遂に絶産となったと騒がれました。スマトラというと寸聞多羅を思い浮かべる方が多いのですが、寸門陀羅として聞かれる香木はカリマンタンが多いような気がします。

イメージ的にスマトラ沈香は見た目に色が薄く、軽快で全体的に甘く優しいイメージです。

  • イリアン・パプア・パプアニューギニア

現在も豊富に沈香を産出する地域で、パプア沈香とも呼ばれます。

  • パプア沈香 それは基本的には甘みがパーーっと出てくる最近よくある安価なタニ沈香です。
パプアニューギニアにおける沈香の採集の様子 YouTube動画の紹介

カリマンタン(Kalimantan)

  • カリマンタン沈香の特徴

カリマンタンはボルネオ島のインドネシア名で日本の国土の1.9倍の面積にさまざまな沈香樹が分布します。

  • カリマンタン島(ボルネオ)の沈香は、タニ沈香の優品としてその名を世界に轟かせいます。
  • その強い香りは良い意味で中毒性があり、これぞ!タニ沈香という香りともいえるでしょう。そして、現在も大きく良質な沈香の塊を産し、アラブ石油王や中華成金の憧れの的でもあります。
  • 多彩な種類の沈香いわゆる普通品から、タニ沈香の最高級品クラスや店の最高級のタニ沈香、真南蛮(戦前期基準・御家流の一部)・佐曽羅・寸門多羅など六国クラスの超高級品まで多彩です。
  • 価格も1g0.1円~3万円まで幅があります。

しかしながら、カリマンタン沈香やボルネオ沈香として売られている場合は通常のインドネシア沈香よりは高級品として位置づけられることが多いようですが、基本的には品質の高低はつきものです。

香りはいわゆるタニ沈香の香りからカリマンタンの香り、凛とした甘鹹、真那蛮タイプ・佐曽羅沈香のような華やかさを持つ物まで存しています。

基本的なカリマンタン(加里曼丹)の香りをタイプ別に区分して記録した。

  • 高品質なカリマンタン沈香の例

この個体の場合は香りに透明感があり、甘さは率直でインドシア半島産のシャム沈香のような軽快な甘さを持っているが、奥にタニ沈香独特の酸味がくすぐっている。この軽快な甘さはフルーツや西瓜に例えられそうな甘さである、香味は安定しており時間も長く継続して香りも落ちにくい。六国の沈香ではないが素晴らしい沈香

  • この個体の話ではないのだが、この甘さを出す沈香を真那賀という人やショップがあるのだが、、、個人的にはタニ沈香の酸味が出ているのに真那賀?????と思うところ。
  • 香味は高品質なので、良いとは思うが・・・・???
  • タイプ1 伽羅似 数 希少 説明は難しいが伽羅似
  • 爽快感を伴う苦みとスパイシーさ伽羅に似た雰囲気の苦み
  • タイプ2 典型 数 少ない 油だらけ
  • 漢方の苦みと強烈な薬品の香りを伴う曇った(濁った)香り
  • タイプ3 典型 数 少ない 油だらけ
  • 華やかなかおりと苦み刺激的 典型 辛味と酸味

ボルネオ沈香

ボルネオ沈香とは・・・?カリマンタン島と同じ島を指しておりインドネシア語でカリマンタン・英語でボルネオという。

  • ボルネオ沈香とされていた場合はインドネシア領でなくマレーシア領で採集された個体を指すと考えられる。➡
  • マレーシア領のボルネオ島 (カリマンタン島の北部マレーシア連邦領)
  • 香木の名称は基本的のお店により統一基準も無く基準も名称も全く違うため、消費者は困惑するところだがそれが面白みであり魅力でもある。
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サバ沈香・ブルネイ沈香

  • サバ沈香はボルネオ島の北部マレーシア連邦の州のひとつ、サバ州とマレーシア領内で採集された沈香を指す、ブルネイ沈香はブルネオダルサラーム国で産した沈香を指す。
  • ➡場合によってはサバ沈香をブルネイ沈香と表現したり、その逆もある。
  • 種類は豊富で品質に千差万別ですが、良い物は非常に上質なタニ沈香の香りと言えばわかりやすい・透き通った特別な甘さを持っています。
  • エキゾチック系の苦みはカリマンタン系の沈香には多く見られる特徴に感じますが、甘味が蜜のような独特でな香りがします。 
  • 現在は完全に絶産らしく、現在も採集が続き比較的入手が容易なインドネシアのカリマンタン沈香と共通の香味も多く持っている物もあります。

寸聞多羅 寸門陀羅

(寸聞多羅)もしくは(寸門陀羅)は香道で使用する香木の種類のひとつ、タニ沈香の高級品であり、主にカリマンタン沈香から特別な香木が選ばれることが多いようだ。

タニ沈香は単価が貴金属の(金プラチナ)と同じ程度になると、佐曾羅系・寸聞多羅系の香りを持つ物が多いイメージであったのだが、最近は高額なインドネシア産の高品質の沈香が資源量の減少と海外での価格急騰が伝わり始めており、お店は警戒して売らなくなってしまっている。

寸聞多羅について

香道六国の木所の一種・流派により使われる香木の品種にも差があり極めて奥深い木所です。 

  • 寸聞多羅・寸門陀羅の違い/読みかた寸聞多羅(すもたら・すもんたら)寸門陀羅(すもんだら)
  • 基本的に同じ意味=お店による呼び方の違い
  • 香道二大流派では寸聞多羅と表現される場合が多いようです。
  • ➡このブログではこの事実を意識し寸聞多羅と表記しました。

香道における木所の好みと違い

香道において例えは地下人・引用は陰・略は花二・産地はスマトラ島と一般的にされます。(流派により異なる)

  • 御家流では黄熟香を利用する場合があり、志野流では沈香(沈水香木)を利用する場合があります。

寸聞多羅の収集は現状段階では六国の中でもっとも敷居が低い

  • 次に追及すると伽羅同様に種類が極めて豊富で飽きが来ない。

収集の方法

  • 有名なお店や個人売買などから購入する
  • 気分により大きく好みが変わる場合がある為、なるべく種類を集める。
  • 寸聞多羅は六国の中では現状では単価が安い為、2種類以上から始めましょう

聞香日記/寸聞多羅

寸聞多羅 表紙

色が濃いタイプ

  • 寸聞多羅の香り(苦味と酸味) 脂がノリノリなので煙が出やすく銀葉も汚れまくり。 薬味ようするに(昔の薬・漢方薬の苦み・消毒の匂い)を感じつつも強い香り。

持った感じは軽いが、きれいな木目薄い肌色タイプ

  • 銀葉にのせると油が染み出しながらも、志野流で見られる寸門で独特の芳香を放ち、雰囲気は穏やかであり酸味に少々の辛味を生じます。

やや濃い緑色で皮はシマシマなタイプ

木質がやわらかい。爪で傷つけることができるレベルの物もある。 出香時に伽羅たちに近い、素晴らしい芳香を放ちつつ、キラキラと伽羅に近い独特のタッチ緑油等の強い苦みと辛味を感じてしまい、最上質の真南蛮や伽羅かと感じ違いしそうになります。しかし、伽羅特有の喉のイガイガ感が全くありません。

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お勧めの沈香インドネシア産(2016年ごろ、上下とも自分が購入した物は寸聞多羅に近い香りが出ていた)

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公家好み香道が用いるタイプ

  • 黄熟香はアキラリア属を除く、沈丁花科より産する沈香を指す模様です、香道の一部の流派では好まれます。
  • 香道の流派の好みの黄熟香は特別な香木となり組香には欠かせません。(黄熟香などと言わずに沈香と言う場合もあります。 )しかし基本的に大多数は香木(香り)としては優れていない、ラミンという名前で高級木材としての需要があります。

黄熟香の寸門陀羅として扱える物はかなり稀です。

  • ネットで黄熟香・寸門陀羅とかの名前で安価で売られていますが、寸門陀羅として聞くような品質の高い物かどうかはよくわかりません。

黄熟香の寸聞多羅は御家流等で基本的に使われるとされている香木なのだが、流派に関係なく(鼻休め)用の香木として利用されているようだ。

  • 俗に言う黄熟香は一般説として第三の香木やゴニスティル属 と言われています。
  • 沈香と黄熟香の違いは生じる樹木の品種が全く異なるという点らしいが、現物も明らかに物が違う。
  • 実際に銀葉に載せると煮えたぎるような燃え方を始め、香り方が強烈で奥深いながらも、複雑さは控えめ。
  • 例えるなら、沈香の寸聞陀羅が凛としているなら。 黄熟系の寸聞多羅は華やかで単純だと思う。
黄熟香の寸門陀羅
黄熟香の花二

木質が固く、焼けた肌色~黒

木質が固く、焼けた肌色 タイプの寸聞、黄熟香系と思われる香木で強烈な酸味と魅惑的な芳香を放ちます。 香りは強く、強烈で刺激は控えめです。おがくずと蘭と芋のような香りです。

伽羅などの香りで鼻を潰した際のリセット効果があり、組香で使うにはもってこいです。

  • タニ沈香とシャム沈香の違いは沈香樹の品種の違いです。
  • タニ沈香(沈丁花科アキラリア属マラセンシス) (マラッカジンコウ) 
  • 味はタニの酸味を伴った( 甘さ 辛味 苦み 樹脂臭 バルサム臭 )  
  • 伽羅と同じ甘味を持つ場合もあるが、寸聞多羅は独特の酸味と苦みが特徴

銀葉にのせて驚き

ある種の伽羅とある種の寸聞多羅の原木は、伽羅に似た見た目や木質に見える場合があります、ここで銀葉にのせたとき特有の酸味が、もわっと出て、伽羅でなく(地下人の如しと)なるのです。

ブログを始めた当初は、香木の画像に触れれる機会はとても少なかったですが、現在は図鑑などが発売されています。インドネシア沈香やマレーシア沈香についてとても詳しくマニア必須の図鑑。

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カテゴリー香木、香木と沈香及び伽羅に特化した内容を扱う。

更新履歴・2021年3月14日 寸聞多羅のページとこのタニ沈香のページを統合しました。

2018年01月13日 に書いた記事を編集して再投稿 インドネシアの沈香・総集編の編集と再投稿をした記事です。

コメント

  1. […] […]

  2. […] タニ沈香でも品質次第では金と同等程度の場合も多い […]

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