鉄羅漢とは、武夷岩茶の四大名叢のひとつ。原産地は武夷山名岩産区の慧苑坑奥深くに位置する鬼洞であるとされる。この品種は南宋時代から伝統的に薬用として用いられており、極めて長い歴史を誇るとされる。ある説によれば、現存する岩茶最古の品種であり、750年以上もの歴史があるかもしれないとされている。しかし、母樹は現存しておらず、現代の肉桂や水仙と比較すると発するアロマが弱く、薬用として根強い愛好家が存在するが、現地の中国では人気が低下しつつあるようだ。鉄羅漢は個性が弱いため炭焙煎を強めに施した伝統的な足火に仕上げることが多い。
慧苑坑鉄羅漢 極品
慧苑坑鉄羅漢(ふいえんくんてつらかん)は鉄羅漢の原産地である慧苑坑周辺で栽培されている鉄羅漢を主原料としている、文革期に新品種に植え替えられたと推測され、名岩核心産区で生産される茶葉は8割程度が肉桂と水仙であり、そもそもこの二種類以外の岩茶自体が珍しく、鉄羅漢自体が名岩産区内に老樹は現存していない。慧苑坑では原産地であるため近年、鉄羅漢を再度植える動きがみられそうして栽培された物である。2020年コロナパニックにて岩茶の在庫がもたついた時期に非常に珍しい原産地産の鉄羅漢を入手できた。
- 鉄羅漢の印象はチョコレートのような香りと気品のある力強い味わいに体感が独特であり、まるで薬のような特殊な力を感じる。
- 鉄羅漢という品種は四代名叢のうちの一つと有名な割には生産量が少なく、大紅袍や肉桂水仙と比較すると入手の難しい品種である。
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慧苑坑鉄羅漢極品 2021 伝統型重火
慧苑坑鉄羅漢極品2020年の輸入から約4年が経過、一時期値段が上がった高級鉄羅漢も値段が落ち着き、2021~2022年は中国はゼロコロナ政策により、例えば上海から武夷山への移動でもホテルでの隔離を二週間が必要となるなど、茶屋は商売どころではない情勢がありました。
この期間はお茶をまともに売ることができず、通常は追加焙煎しなくても軽焙煎のまま、すぐ売れてしまう製品も追加焙煎を行うことを余儀なくされ、武夷岩茶に限らず、2021年産の高級烏龍茶には名品に巡り合えるヴィンテージとなりました。
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この製品は重火という茶の穂における岩茶のなかでもっとも強力な焙煎を行っており、茶葉がうんと引き締まっており、特級茶葉ながら1級のような見た目になっております。
慧苑寺から楓樹窠や古井に向かう観光客出禁、慧苑寺が管理する小道沿いで育成中の有機栽培鉄羅漢を使用しており、2021年以降は慧苑坑花香鉄羅漢として発売されているため、強力焙煎に仕上げてしまうと茶葉の個性が薄くなり、当店の鬼洞風月高山鉄羅漢に代表されるように高級岩茶と高山岩茶は試飲や味わいでの区別が飲み慣れた人間でないと難しくなってしまい、真贋の飲み比べや違いの味の出方で容易に区別可能な花香型や中火濃香型にしたほうが最近のトレンドでは武夷山でも売れる。
だから伝統的な火入れを行うのは最後にしたいと取引先は考えているだろう、私としては花香型よりも強力焙煎の岩茶も取り揃えたいので今後も欲しい製品ではある。
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お湯を注ぐと周囲には炭香とカラメルのような香りが出る、茶杯から香るアロマはこれぞ正岩茶という、石灰ミネラル香、炭香、ココナッツや黄金糖、ブランデー、口に含むと三坑両澗の高級岩茶らしい大きな口感とまとわりつくような舌触りからの(回甘)戻り香と甘み、火入れが強力なので品種の個性薄いが、飲み応えの良さと後味の良さが特徴的。
品種個性を活かした慧苑坑花香鉄羅漢とは対象的な製品、これぞ伝統的で天心村慧苑の岩茶という見本のような製品となった。
ただ美味しいだけの伝統焙煎的な岩茶ならば、鬼洞風月や50グラム2〜4千円台くらいの価格がもっと安い物で充分だと店主は認識しているが、飲んだあとの心地よさや飲み心地に注目すれば高級岩茶の価値が見えてくる。
店主自身でも100グラムを24年10月から25年1月にかけて家族と共に消化した製品であり、この強力焙煎でありながらも、胃腸への負担が少なく、健康的に仕事ができるという意味で鉄羅漢の薬効を強く感じ、優良品だと思っている。
価格 5グラム1850円 7.5グラム2600円 15グラム4680円 50グラム13800円
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茶の穂 慧苑坑鉄羅漢シリーズの産地について
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慧苑坑のメイン通りには老欉水仙や高級肉桂が基本的に植わっているが、これは収穫量が多く安定しており、鉄羅漢や梅占のように天気の影響を受けにくいからである。さらに観光客通り沿いの製品は中国を代表する観光地沿いということで、品質に関わらずその希少性から茶園賃貸料金に驚愕のプレミアが乗ってしまう。
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当店では品質と価格を重視して慧苑坑製品はメイン通りから外れた、観光客立ち入り禁止区域の製品ばかりを取りあつかっている。茶の穂慧苑坑鉄羅漢シリーズと茶の穂慧苑坑老欉梅占シリーズは慧苑寺前の立ち入り禁止看板のある小道を楓樹窠方面にひたすら歩いて20~30分の距離にあり、高額な製品なのは場所のプレミアムというより、茶葉を運ぶだけでも多大な人力と人件費がかかるためとなっている。
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車両が入れるのは基本的に水簾洞口までとなっており、そこから茶園までは徒歩で行く、慧苑坑鉄羅漢シリーズまでは水簾洞看板前から徒歩50分程度かかる。岩骨花香街道沿い(観光客メインルート)水簾洞口~鷹嘴岩~古崖居~慧苑寺西の岩茶は茶の穂慧苑坑百年老欉水仙2023以外は取り扱わず、当店ではコスパの良い水簾洞周辺の岩茶と慧苑寺正面奥、慧苑坑東側、観光客メイン通りの南側の谷である鬼洞周辺産の岩茶を集めております。
水簾洞の様子はこちら
慧苑坑花香鉄羅漢 極品
慧苑坑花香鉄羅漢は武夷岩茶専門店茶の穂における代表的な武夷岩茶であり、慧苑坑産の有機栽培高級鉄羅漢に混ぜものを使わず100%使用して1年間に3度かけて炭焙煎、本物だけが持つ、気品と複雑な岩茶の味わいを引き出した製品です。2023年5月から1年間かけて2024年5月に完成しました花香鉄羅漢の最新製品です。
価格について
旧極品よりも大幅にプライスダウンとなりましたが、前年からの予約による値下げ効果と相場下落による物であり茶の品質は低下しておりません。2022年は武夷山にけるゼロコロナロックダウンによる厳しい移動規制の影響から毛茶を先に確保、2020−2022年産の良質な岩茶ですら売れ残り、価格が大きく上がっていた鉄羅漢が人民元建てにて旧来に近い価格で調達できました。
2023年産 花香型
2024年6月中旬より、当製品の2023年版を発売するため、極品表記を復活しました、新製品との区別のためネットショップでは(2022極品)の表記となりますが、引き続きシール等での表記はそのままとなり、品質や価格等に変更は全くございません。
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店主の感想
お湯を注ぐとパイナップルや杏仁豆腐のような香りが漂う、アロマ、最初に乾いた薔薇や木蓮などの花香が香り、次に岩茶としては鋭いパイナップルやマンゴーの香りとココナッツミルク、杏仁豆腐、焼き菓子の香りが出て、瓜や西瓜などの果実香も出てくる、口に含むと大きなフルボディ、舌触りに丸みがあり杏仁豆腐やカラメルを連続する口触り、直ちに甘みを感じ、そのまま口のなか一杯に広がる、香味はやはり杏仁豆腐やパイナップルシャーベットのよな甘さと新鮮なライチやマンゴーフルーツ系も有しており、明瞭な甘さに加え、清々しい岩茶特有のふわっとしたフルーツ香りがそのまま長く後味として残る。
毎年、味わいが大きく変化するのは天候を反映した花香型の岩茶の特徴であり、暑い時期にオススメの岩茶、暑さを吹飛ばすような爽快なフルーツ香と三坑両澗の強いミネラル感、2022年産の甘ったるい香り※良い意味と比較するすれば先鋭な香りと爽やかを伴う濃い味わいが特徴的であり、岩茶としては珍しく、少しだけ乾いた花を連想するトップノートを保有しております。
鉄羅漢らしく、やや灌木型で栽培者は無農薬かつ肥料を通常よりも絞った有機栽培を行っております。
2022年産 花香型
2022年産のヴィンテージについて 2022年は雨が多い年であったにも関わらず、岩茶や鳳凰単欉の一部は品種香が例年より明瞭に出やすいヴィンテージでした、さらに武夷山市はロックダウンや中国国内の強力な移動規制によりお茶が売れず生産も滞った年となりました。
焙煎について2022
一般的に鉄羅漢は焙煎を強く入れる品種でありながら、慧苑坑産自然栽培のかつ混ぜものなしの鉄羅漢特有の良さをいかすために、鉄羅漢の常識を覆す、茶の穂専用日本国向け輸出専用仕様にて、軽焙煎花香型を武夷山に直接注文生産、2019年の物とは製作法を大きく変更して、2022年6月から2023年10月まで低温にて焙煎を4度繰り返すことで、長期熟成に耐えつつ鉄羅漢の品種香を引き立てた製品。鉄羅漢らしく強い品種香や煌めくような香りではなく、慧苑坑の岩茶らしい穏やかさを持ちながら図太く、強い飲み心地と日陰型特有のジワジワと香る花香を持った高級感ある武夷岩茶となりました。飲み頃予想2023年11月~2028年末まで。
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製茶の工夫 上海浙江向けの物を日本向けに鳳凰単欉のようなフルーツさに加え、花香と岩茶らしい焙煎感を出すために、2022年から武夷山にある製茶設備を最新鋭の鳳凰単欉向けの物にすべて更新しました、焙煎は武夷山馬頭岩村焙煎所から、最新の炭焙煎を行える焙煎所に移転、焙煎具合も茶の穂専用に変更となり、サンプルを長期間にわたり何度も繰り返し試飲を重ねて、軽焙煎ながら日本の水に適応するように焙煎や輸送時の包装を工夫しました。
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慧苑坑鉄羅漢極品の後継品当店の旧人気商品で完売しました慧苑坑鉄羅漢伝統型極品5g2450円と同等の原料を用いて、原材料の良さと鉄羅漢特有の品種香や杏仁豆腐やプリンを連想する独特の口感を生かすべく花香型に仕上げました。飲み心地の良さから飲めば飲むほど癖になる製品です。
2022年、店主の感想 お湯を注ぐと周囲にカラメルのような甘ったるい香りが広がる、香り、プリンやカラメル、アップルパイやココナッツミルク、杏仁豆腐のような菓子の香りと蓮や水仙の花、茶の花のような花香が香る、口に含むとフルボディだが、丸みがプリンや杏仁豆腐を連続する口触り、香味はやはり杏仁豆腐やリンゴゼリーのような甘さと新鮮なリンゴや白ブドウなどフルーツ系も有しており、明瞭な甘さがそのまま長く後味として残る。
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販売ページへ
ここから下は過去に販売した茶記録
2020 慧苑坑鉄羅漢 中火濃香
アロマでは心地よいミネラル香(岩骨花香)とチョコレートを連想する甘いアロマとドライフルーツを連想するスパイシーな香気が入り混じり、口に含むと、肉桂水仙大紅袍以外では稀に見る、三坑両澗産らしい、圧倒的なフルボディであり、瞬時に上半身を巡る強い体感とチョコレートの甘さとフルーティーさを後味における爽快感が素晴らしい。これぞ三坑両澗の特級畑産という素晴らしい岩骨花香を持ち、肉桂や水仙と比較するとアロマと個性がやや弱く、飲んでいる際の飲み心地の良さと飲んだあとの余韻を楽しむ、やや上級者向けの岩茶である。
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価格 5グラム1850円 慧苑坑鉄羅漢2020(中火濃香)2023年から別メーカーの物に切り替え。完売極品 5グラム 2450円 極品老樹、慧苑坑鉄羅漢2020(伝統型足火)完売
2019 慧苑坑鉄羅漢 伝統型中火
上海人向けの高温炭焙煎だが時間は短めで仕立てられた変わった鉄羅漢・現地の水の合わせて焙煎してあり素晴らしい茶なのだが、残念ながら様々な環境で試飲をしたが、焙煎の弱い岩茶が日本では記事投稿時点では一般的でなく、水が合わず、日本人が受けるタイプではなかった。
洗茶(一煎目)一煎目で広がる香りは、スパイシーな香り(肉桂とはもちがう)カシスやビルベリーのような香りが広がる。
そのあとの独特の甘い香りが、岩茶らしくモワッと出るイメージ的にはチョコレートケーキのような香りです。口に含むとまろやかな口触り、チョコレートのような風味とカシスやブルーベリーのような果実味を感ます。岩茶でも透明感があり、後味も透き通っている。
2~4煎目
- 香りはミネラルを感じる透明感のある香りです、中火の岩茶らしい、草花のイメージとチョコレートのような甘さに、キレを伴う独特の香り。
- 味わいは口のなかいっぱいに広がるフルボディに、瞬時に上半身を巡る強い体感とチョコレートの甘さとフルーティーな甘さが長く感じる。
5~8煎目
10煎を超えると薄くなっていきますが、フルボディ&フルーティーで18煎ほど飲むことができました。余韻も深く、残り香、後味も長い、、本当に素晴らしいお茶です。
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感想
全般的な感想はナニコレめっちゃ良い♥️このお茶は全て美味しさの要素がバランスが良く混ざっていて、まさに (高級茶だよお) 結局のところ味わいが、突出した(目立つ)点が無いのは、全部の美味しさの要素がバランスが良く混ざっているからです。目立った点が無く完成度の高いお茶は単株茶などでもそうですが、飲みつけいないと味が薄いと感じる人もいます。
これは高級茶でも香木でも言えることで(味が無い・香りが無い) 意味(味わい完璧・五味完備・完璧で言うことなし)なんて表現したりします。
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コメント
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