三坑両澗の一つで歴史ある産地だが、知名度の低い悟源澗の肉桂、上級者向けの伝統焙煎型岩茶 (悟源涧肉桂) 渓谷の流れと日当たりの悪い環境から、岩茶としては最大級の岩骨花香と特有の幽蘭麝香を持つ。
悟源澗の説明(茶の穂独自訳)
悟源澗は三坑両澗のひとつであり、武夷山国家公園風景区の伝統的な正岩武夷岩茶の最重要な産地でもあります。馬頭岩の東南に位置しており、峡谷の流れは馬頭崖を流れ、その環境から特有の幽蘭麝香という(穏やかで心地よい蘭などの花香と麝香などを連想する強いミネラル香)持ちます。乾隆帝 (1711–1799) の治世中に茶商が資金を提供して石の道が谷に沿って建設された。 小川と石の道の周りの静かで穏やかな環境は、訪問客に悟りを得るための環境を備えているため、人々はそれを悟源澗(悟りを得ることにつながる澗 意味)と呼ばれるようになりました。
岩茶の名産地であり、主に肉桂、水仙、白鶏冠が栽培されている。
為武夷景区伝統正岩重要産区、三坑両澗、之一、悟源澗位千山北馬頭岩肉桂南側、是流経馬頭岩嶺的一条澗水、水流流淙、幽蘭麝香。乾隆年間曾有茶商捐資 修建石徑,潤旁石徑靜謐安詳,助人悟道思源,故而得 名悟源潤。
武夷山国家公園 風景区の公式看板から
悟源澗肉桂
悟源澗肉桂現代焙煎は武夷山国家公園世界遺産風景区で三坑両澗のひとつ悟源澗産の肉桂、特有の幽蘭麝香がしっかりと感じられ、樹齢30年以上平均40年の1980年代に肉桂種の商業栽培が始まった、初期に植えられた老樹肉桂でもあり、余韻と岩骨花香は武夷肉桂のなかで最大、歴史的に岩茶として最高評価を受ける三坑両澗の岩茶らしい特大フルボディに加え、穏やかで心地よい蘭などの花香と麝香などを連想する強いミネラル香を感じることができます。しかしながら、同じ三坑両澗である、慧苑坑や牛欄坑、大紅袍母樹のある九龍窠と比較すると、話題性に乏しく、特有の幽蘭麝香は飲みつけている趣味の人や上級者でないと感じられない為に、値段が上がらず、流香澗肉桂や慧苑坑肉桂に混ぜられたり、それらに化けて出荷されていました、悟源澗の下流域である馬頭岩がその名称を訳して馬肉として、知名度が上昇したため、悟源澗肉桂を下流域であり一体産地とみなし、格下げして馬肉として出荷することで、馬肉(馬頭岩肉桂)は牛肉(牛欄坑肉桂)と並ぶ名品とされるようになり、地位を確立しました。
馬頭岩の岩茶は口感が悟源澗よりも小さく、さらに岩骨花香が三坑両澗の岩茶には全く及ばないため、この悟源澗肉桂そのものや混ぜられて馬頭岩肉桂として出荷されていなければ、牛肉と馬肉は双璧という評判は成り立ちません。
老樹悟源澗肉桂 伝統型
悟源澗肉桂/老樹悟源澗肉桂 中火濃香版
価格 2022年 中火 7.5グラム 2170円
悟源澗白鶏冠 姉妹品
価格 2020年 5グラム1400円~
老樹肉桂 1969
老樹肉桂1969 LUNA
大人気で2024年1月から6月までにて武夷岩茶茶の穂にてもっとも多く出荷され売れた肉桂製品である特選老樹悟源澗肉桂(老樹悟源澗肉桂大極品)を最新鋭の低温炭焙煎48時間を四度という過酷でコストのかかる焙煎を行って改良した上位品が老樹肉桂1969です。
通常は焙煎が浅くとも売れてしまうクラスの老樹肉桂を武夷山のマニア向けに丁寧に火入れしたものを日本向けに甘味が強く感じられるよう、さらに火入れを追加して改良した製品です。
肉桂の品種香とミネラル香が周囲に香る、アロマ、強いミネラル香に加え岩茶ながら胡椒やカルダモンのトップノートを少し保有、白百合や蓮の花香、肉桂らしいシナモンの香り、冷めてくるとモンブランや芋菓子のような香り、口に含むと大きなフルボディで直ちに青苔味と甘さを感じる、喉を通過する際に感じられる岩韻と軽めの焙煎らしい感覚が強くピリッと刺激的、後味として肉桂の品種香と甘さが長く残る、余韻の長さは老樹肉桂らしい安定感があり品評会上位入る肉桂に近く、肉桂として最長級。青苔味が口に含むと即感じられ、後味に感じるでなく前面に迫り出す点でも、最高峰の証であると言え、樹齢の高さが光る。
老樹悟源澗肉桂と老樹肉桂1969の味わいの差や余韻の伸びはマニアや武夷岩茶の茶商にとっては重大な差であり、当店では世間的常識的な感覚を考えて、価格差は2割ですが、これが福建の岩茶店だったら2~50倍、賄賂需要にて5グラム10−15万円でも向こうなら需要がありそうです。
特選老樹悟源澗肉桂 PRO
老樹肉桂1969の生産量はたった約10kgしかなく、原材料の良さを生かして、この程度の高級肉桂であれば焙煎の弱い清香の状態にて武夷山にて殆ど売れてしまいますゆえ、先に保険として確保した1.25kgだけを入荷して主にプロのお客様向けに全て販売して完売した製品です。
限りなく老樹肉桂1969に近いが長期熟成も可能なよう焙煎した試作品の特選老樹悟源澗肉桂をを事前に製作しており、業務向けのお客様専用にて販売していた製品です。
2023年産の老樹悟源澗肉桂は1980年代最初期に植えられた老樹肉桂の安定感とパノラマ感を押し出す為に、3回焙煎ながら清香花香型の肉桂に仕上げました、清香型らしい強い喉越しと花々の香りが表現されおります、余韻の長さから焙煎を強く入れて出品すれば品評会での賞獲得がほぼ確実なラインですが、ありふれた伝統型でなく老樹肉桂を活かした清香型が作りたいという作者の懇親作で高級中国茶を飲みつけている上級者さま、武夷岩茶を扱う仕事などを行っているプロのお客様向けの製品、ブレンドなどに特に適した強い飲み心地と咲き乱れる花の香味を体験してみて下さい。ボディの大きも武夷岩茶最大級ですが、焙煎が弱い為、感じにくい場合はあります。
1kgを入荷して主にプロのお客様向けに全て販売して完売、火入れが軽く一般のお客様には淹れにくい火入れ具合であったためネットショップでの発売には至りませんでした。
試作品(軽火版)フレシュで爽やかでも深い
秀でた原材料の良さを生かすため、熱をかけずに清香型に限りなく近い火入れを行いつつ、安定化と長期保存に耐えれるようにするため炭焙煎はかなりの低温にて2023年5月から2024年3月まで3度を繰り替えしております。
夏にピッタリの製品であることや、若樹や普通の肉桂でなく、老樹肉桂製品の軽火、軽い焙煎にする場合は、収穫から半年以内の早い段階でリリースすると急激な劣化の懸念や軽火でなく高温かつ短時間焙煎を用いて下手な伝統型に仕上げて炭化させる場合も含めて、焙煎に手間をかけずに製茶を早く済ませると、素材が持つ本来の味わいが活かせないので、低温で3回焙煎3かつ期間は1年程度とまだまだフレシュさがある、うちのほうが良いということから、という飲み頃は2024〜2026年を想定しています。
老樹悟源澗肉桂 2022
こちらは2022年産の悟源澗肉桂現代焙煎を1年以上かけてじっくりと焙煎した高級武夷岩茶であり、長期保存コレクションに向く製品です。茶葉は2022年5月から2023年7月初旬まで低温100度以下で4回焙煎、現代焙煎式と伝統的な長期間焙煎の両方良いところを併用して制作した絶品になり、伝統的な強烈な焙煎ではなく、比較的弱めで炭焙煎された現代焙煎の岩茶ではありますが、1年以上かけて焙煎されたので伝統型に近い物となっております。飲み頃予想2023年10月ー10年間以上。
テイスティング
茶杯からの香り(アロマ)岩茶としては珍しく乾いた花を連想するトップノートを保有、桃を連想する桃仁香、フルーツの香りと武夷肉桂における2022年ヴィンテージらしい金木犀の香りが感じられる、口に含むと三坑両澗らしい大きなフルボディで直ちに甘みを感じる、香味は甘く複雑さとわかりやすさを兼ね備え、後味ではフルーティな果実香が明瞭に長く続きます。
焙煎について
伝統焙煎と現代焙煎の良いところを総取りした素晴らしい火入れと焙煎士さんが、持つ悟源澗の自家茶園(完全無農薬、減肥放置栽培)茶葉を利用しており、原料の質の高さも光る。焙煎しっかりの伝統型を好む方も焙煎の弱い現代焙煎型を好むお客様にも受け入れられる焙煎となっております。炭焙煎の製法に関しては武夷山市内で何度も炭焙煎ですが、一般的な方法でなく、肉桂に関しては近年、出品すれば必ず上位に入り賞を取る状況であり、絶対に秘密にするよう焙煎士から言われており詳しい方法は企業秘密とさせて頂きます。
コストパフォーマンスの高さ
当店一番人気の座をこちらから奪った、振興杯金賞肉桂と同じ焙煎士の作品であり、火入れは並行して行われており、金賞肉桂の作者は悟源澗肉桂の値段に驚き、当品の全量買い取りを希望して、こちらの中火濃香版は(日本)茶の穂むけを除き、武夷山市内の同業者に販売されました。
雨の多く難易度の高いヴィンテージである2019年に当製品はコンテストで約250品中4位まで勝っており、2022年もコンテストに出せば何か賞を取ってきたと思いますが、固定客に受賞後、価値があがり値段を高く売るのが嫌だと、共同制作の走馬楼肉桂(後の振興杯金賞肉桂)を出品したこともあり、出し惜しんで生産者兼焙煎士さんが出さなかった製品のため、武夷岩茶の肉桂としてのレベルはかなり高いです。
悟源澗肉桂2022年中火濃香 12煎目を撮影 使用茶葉2.3グラム
価格 5グラム1550円 7.5グラム2170円 50グラム12500円
5グラム購入はこちら 5グラム1550円
7.5グラム購入はこちら 7.5グラム2170円
50グラム購入はこちら 50グラム12500円
悟源澗肉桂 伝統型足火2019年
冬に飲みたい焙煎の強め岩茶
1か月間ほぼ毎日の飲んでみて思ったこと。焙煎の強い高級武夷岩茶、朝に起床して、蓋碗にお湯を注ぐと甘く締まりのある、少し炭の良い香りが混ざった肉桂特有のスパイシーな果実の香りが周囲に広がる、一口飲んだら、瞬時に体が温まり、(この時期(冬季)には特に感動が大きい) 身体が目覚め、暖かさと美味しさが、お茶の余韻と一緒になって、全身に回っていく、ただし、このタイプの体感の強いお茶を飲むとフラフラになってしまったり、茶気に負けてお茶に酔って、不快になってしまったり、倒れそうになる場合が多いが、この悟源澗肉桂は焙煎と日当たりの悪い最上級の畑から来た優しさなのか、わからないが、不快になったり茶酔いになることは全くない。
二煎目以降の香りはフルーツの香りに甘い米菓子のような香りがする、三煎目以降の香り、フルーツ香を徐々に薄くなり、甘い穀物系の香り、なんというか、満足感の高い地味な香りが長く続く、香りが華やかで香水のような鳳凰単叢や馬頭岩肉桂の表現とは真逆のイメージ、なんとも大人しい香りだが、全く飽きが来ない、烏龍茶としては不思議な落ち着いた香りだと思う。
到着直後は飲む温度が高いと味が薄く感じたが、二週間ほどですっかり輸送のショックが落ち着いて、味が薄く感じることは無くなった、濃厚な甘さとキレのある焙煎香を楽しめるお茶になった、本来の状態に戻ったのだろう。
到着直後の試飲の記録
1回目の焙煎は強く炭焙して、茶葉の回りを強く焙煎してその後じっくりと弱火で焙煎して作る。煎が長く余韻と後味の甘さを追求した岩茶
感想
淹れ方の改善や茶壺や蓋碗で茶葉を増やしてまた飲みます。
1煎目から素晴らしい口感(フルボディ) 茶の余韻はとても強い
体感は逸絶していて全身が酔うことなく暖まる。熱いうちは焙煎香が強くても冷めて飲めば、岩茶らしい甘さと美味しさが強くなり、素晴らしい。後味と岩韻の強さと明瞭感は蓋碗で表現できたなかではトップクラス。お茶自体の味は温度が高いと、薄い感じがするけれど、飲んだ後味の甘さは、逸絶しており、後味と体感の温かさは30分以上継続する。
2煎目を淹れたら、既に部屋中が肉桂の香りに包まれた。8煎目以降はお茶液の味は薄くなるが、スカスカ感は全くない。後味と大ボディと香りでカバーして満足感は強い。11煎目以降の味が薄くなっても味が壊れることはないキレのある甘さと旨味が維持される。
浄化水 茶葉2.5g 蓋碗90㎖前後
1煎目 強い色合い 洗う 火香が強い
5秒
2煎目 炭の味がする強い
10秒
3煎目 炭の味が落ち着く 甘い
10秒
4煎目 美味しさが強く出てくる
20秒
5煎目 味が完全に安定して大回甘する。
20秒
6煎目 馬肉に近いスパイシーさが出てきた。
20秒
7煎目 なめらかでおいしさが強い
20秒
8煎目 最初の強さは無くなったが、肉桂の味は更に強く
30秒
9煎目 茶液の色は薄くなったが、後味の豊かさは強くなる。
40秒
10煎目 味はすっきりと肉桂の味へ向かう
1分
11煎目 透明感と明瞭感が強い 冷めたら、素晴らしい。
1分30秒
12煎目 味は薄くなってきたが、後味良さは逸絶
3分
13煎目 中火の馬頭岩肉桂の味に近くなる。
3分
14煎目 キレは維持されている。さすがに薄くなってきたが、後味豊か
3分
15煎目
さすがに終わった。キレが無くなった。
3煎目と10煎目
色がここまで薄くなったのに、味が全く落ちない岩茶は初めて。
情報
生産 御茶荘 中国福建省南平武夷山市
名称 悟源澗肉桂 うげんかんにっけい
悟源涧肉桂 Wù yuán jiàn ròuguì
年号 2019年 春
品種 肉桂 にっけい
樹齢 2019は30年超/平均40年 2022年からは材料を見直し樹齢40年以上 老樹肉桂
等級 特級
産地 名岩茶区域悟源澗馬頭岩茶区 正岩茶
焙煎 伝統型炭焙 足火 (伝統焙煎のすこし軽い)伝統型の昔(伝統的な)岩茶は焙煎がすべて強めであるため、武夷山の茶商や生産者によっては、この程度の焙煎でも中火とする場合があります。
価格 2019年 5グラム1550円 15グラム4370円 (悟源澗肉桂足火)
価格 2022年 5グラム1550円 15グラム4190円 (悟源澗肉桂中火)現代焙煎型
2020-3-21 開封後の感想 1袋目を飲み切る
1月25日開封した、50gパックを飲み切った。茶葉は焙煎が強い割に絶妙な強度のため、最後まで崩れなかった。味わいは渋くなったり、途中で酸化して、渋くなったりすることなく、最後の1回まで美味しいく飲むことができた。味わいの変化は特にはないが、焙煎が落ち着き、豊かなリンゴ系統のフルーツ香りが華やかに立つようになり、10煎を超えると純粋なロイヤルゼリーを多く含む蜂蜜のような、強烈かつ特大ボディの蜂蜜の味わいが後味まで15分も継続した。この蜂蜜の味や香りとは、蜜香とは全く異なる、完全に蜂蜜である、ローヤルゼリーのあの独特の味が旨味として継続、岩茶としては樹齢も高く体感も強い。ほんとうに素晴らしい岩茶であった。3g20煎と香りや味わいの持続も長くなった。
やはり約半年間かけて、じっくり焙煎する岩茶は深さが違う。
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